このままでいいのだろうか。
無力なままでいいのか。
答えはわかってる。
ノーだ。
でも今の私に何ができる?
あやめを止められる?
罪悪感は相当大きい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「愛菜!!!!!!!」
ガバッ。
ん…
あれ?
隣を見る。
そこには普段と変わらない高木愛菜がいる。
よかった…
愛菜がなぜか私の元から離れていく夢を見た。
愛菜が離れる?
いや、愛菜が離れたら、私は完全に壊れてしまう。
転校してきて初めての友達の愛菜は、気づけば私にとって家族と同じくらいの大切な存在になっていた。
私の友達…いや、親友は、もう愛菜しかいない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ピーンポーンパーンポーン。
うざいと言ってもおかしくない、
うっとおしいと言ってもおかしくない、
邪魔だと言ってもおかしくない、
この音。
また死亡者を絞るルーレットが回る。
【第6ゲーム】
木崎ノエル
救出人:世田谷のぞみ
…ドクン。
私の…名前…?
「のぞみ!?」
愛菜が声を上げる。
「だ、大丈夫なの!?のぞみがいなくなったら…私…
!」
「大丈夫。絶対戻ってくる」
絶対戻ってくるなんてカッコつけて言っちゃったけど、戻って来れるかわからない。
『それでは、よーい、スタート!』
私は校舎へ向かう。
早く。
愛菜のためにも、早くーーーーー
バリィン!!!
…
…え?
ガラス?
振り返ると、そこにはガラス張りの部屋を割っているノエルがいた。
手にはトンカチを握っている。
トンカチでガラスを割った…?
「フッ、今までなんでみんなこうしなかったの?やっぱりバカだね、ハハハハハ!」
なるほど…
そんな脱出方法があったの…
すると突然あのドローンが飛んできた。
そしてノエルを拘束する。
「は!?な、なんで私が拘束されてんの!?離して!」
『木崎ノエルさんは、ルール違反となったため殺しまーす!バーイ♪木崎ノエルさん?』
え!?
「はあ!?そんなの伝えられてない!」
しかしドローンは容赦なくノエルに電流を流す。
ビリビリビリビリ!
「ぎゃああああああああ」
拘束が解ける。
…命拾いした。
…ノエルの犠牲と引き換えに。
「のぞみ…」
「こんなこと…あるんだね…」
まさかルール違反で死ぬ展開があるなんて…
自力でガラス張りの部屋から脱出しようとしても、結局こうなるのか…
夕美が悲しみに暮れている。
「ノエル…ううっ」
あっちからの友情は偽物だったとはいえ、夕美にとっては大切な友達だ。
残酷すぎる。
すると大柴柚月(おおしばゆずき)が声を上げる。
「まって、これって今日のゲームはもう終わり?」
そうだ。
今日のゲームはこれで終わりなんじゃないか?
そんな希望を微かに持った。
けど…
『これで終わると思った?ざんねーん!もう一回ルーレット回しまーす!』
そんな希望はなかった。
「はぁ!?普通ここで終わるだろ!」
亜里沙の言葉を無視して、ルーレットは回る。
【第6ゲーム(再指名)】
水木かなた
救出人:高木愛菜
「愛…菜…」
なんで?
私が指名された次は愛菜?
憎すぎる組み合わせだ。
今すぐに愛菜と入れ替わりたいくらいだ。
救出人は生存できる確率が高いとはいえ、かなたが黒いボタンを押したら終わりだ。
「のぞみ、心配しないで」
「本当は…怖いんでしょ?」
「…」
愛菜が助かってほしいって祈ろっかな…
でもそうしたら犠牲者はかなたになってしまう。
今のところ、2人とも助かったという事例はない。
『それでは、よーい、スタート!』
容赦なくゲームは始まる。
すると愛菜はかなたと向かい合わせになった。
何を…?
「かなたちゃん…私、かなたちゃんのこと助けられないかもしれない」
え?
私は動揺しているけど、かなたは無表情だ。
「今まで由紀ちゃんや美香ちゃんのように、助けられなかった人は大勢いたし、ボタンは誰もわからないような難しい場所にある…ボタンを見つけられる自信がないし、あやめの人たちはかなたちゃんのような人を生かす気はないと思うから」
なるほど…
でもまだ希望はあるはず…
「いいのよ。私、1人で死ぬ気だから」
!?
「えっ」
さすがに愛菜も動揺してる。
「な、なんで!?かなたちゃんは悪いことしてないのに…!?」
「違う。そういう意味で死ぬんじゃない。自殺みたいなもんだって思って」
「死なないで!」
話がまとまらない。
「もう、いいのよ。ボタンを探しに行かなくてもいい。私の人生って、案外死んだ方が楽なのよ」
死んだ方が楽…?
だったらかなたは死にたいと思うほど辛い目に遭っているってこと…?
「案内人さん、時間を早めることってできる?」
『あらん?珍しいねえ、自殺なんて?まーいいや!ほんじゃ、ここで終了にするねー♪』
「ちょっと待って!」
ビーーーーーーー!
普段よりも早く、時間切れのブザーがなる。
死亡者:水木かなた
かなた…
「私今まで、ずっと人の言いなりばっかで疲れたから、最期にこうやって自分から選択できたの、安心したわ」
「かなたちゃん!!!!!」
しかしガラス張りの部屋の中に毒ガスが充満する。
かなたは声を全く発しないで死んでいった。
「こんなはず…じゃないのに…」
このままでは愛菜が相当なショックを受けてしまう。
「愛菜は心配しなくていいよ。愛菜が殺したんじゃなくて、かなたは自分でかなたを殺したから」
とりあえず適当なこと言って愛菜を落ち着かせる。
「…うん…」
…もう終わらせてください。
辛いです。
でもまたゲームはやってくるーーーーーーー
死亡者:水木かなた(元1年1組)
生存者:8人
9ー1=8
無力なままでいいのか。
答えはわかってる。
ノーだ。
でも今の私に何ができる?
あやめを止められる?
罪悪感は相当大きい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「愛菜!!!!!!!」
ガバッ。
ん…
あれ?
隣を見る。
そこには普段と変わらない高木愛菜がいる。
よかった…
愛菜がなぜか私の元から離れていく夢を見た。
愛菜が離れる?
いや、愛菜が離れたら、私は完全に壊れてしまう。
転校してきて初めての友達の愛菜は、気づけば私にとって家族と同じくらいの大切な存在になっていた。
私の友達…いや、親友は、もう愛菜しかいない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ピーンポーンパーンポーン。
うざいと言ってもおかしくない、
うっとおしいと言ってもおかしくない、
邪魔だと言ってもおかしくない、
この音。
また死亡者を絞るルーレットが回る。
【第6ゲーム】
木崎ノエル
救出人:世田谷のぞみ
…ドクン。
私の…名前…?
「のぞみ!?」
愛菜が声を上げる。
「だ、大丈夫なの!?のぞみがいなくなったら…私…
!」
「大丈夫。絶対戻ってくる」
絶対戻ってくるなんてカッコつけて言っちゃったけど、戻って来れるかわからない。
『それでは、よーい、スタート!』
私は校舎へ向かう。
早く。
愛菜のためにも、早くーーーーー
バリィン!!!
…
…え?
ガラス?
振り返ると、そこにはガラス張りの部屋を割っているノエルがいた。
手にはトンカチを握っている。
トンカチでガラスを割った…?
「フッ、今までなんでみんなこうしなかったの?やっぱりバカだね、ハハハハハ!」
なるほど…
そんな脱出方法があったの…
すると突然あのドローンが飛んできた。
そしてノエルを拘束する。
「は!?な、なんで私が拘束されてんの!?離して!」
『木崎ノエルさんは、ルール違反となったため殺しまーす!バーイ♪木崎ノエルさん?』
え!?
「はあ!?そんなの伝えられてない!」
しかしドローンは容赦なくノエルに電流を流す。
ビリビリビリビリ!
「ぎゃああああああああ」
拘束が解ける。
…命拾いした。
…ノエルの犠牲と引き換えに。
「のぞみ…」
「こんなこと…あるんだね…」
まさかルール違反で死ぬ展開があるなんて…
自力でガラス張りの部屋から脱出しようとしても、結局こうなるのか…
夕美が悲しみに暮れている。
「ノエル…ううっ」
あっちからの友情は偽物だったとはいえ、夕美にとっては大切な友達だ。
残酷すぎる。
すると大柴柚月(おおしばゆずき)が声を上げる。
「まって、これって今日のゲームはもう終わり?」
そうだ。
今日のゲームはこれで終わりなんじゃないか?
そんな希望を微かに持った。
けど…
『これで終わると思った?ざんねーん!もう一回ルーレット回しまーす!』
そんな希望はなかった。
「はぁ!?普通ここで終わるだろ!」
亜里沙の言葉を無視して、ルーレットは回る。
【第6ゲーム(再指名)】
水木かなた
救出人:高木愛菜
「愛…菜…」
なんで?
私が指名された次は愛菜?
憎すぎる組み合わせだ。
今すぐに愛菜と入れ替わりたいくらいだ。
救出人は生存できる確率が高いとはいえ、かなたが黒いボタンを押したら終わりだ。
「のぞみ、心配しないで」
「本当は…怖いんでしょ?」
「…」
愛菜が助かってほしいって祈ろっかな…
でもそうしたら犠牲者はかなたになってしまう。
今のところ、2人とも助かったという事例はない。
『それでは、よーい、スタート!』
容赦なくゲームは始まる。
すると愛菜はかなたと向かい合わせになった。
何を…?
「かなたちゃん…私、かなたちゃんのこと助けられないかもしれない」
え?
私は動揺しているけど、かなたは無表情だ。
「今まで由紀ちゃんや美香ちゃんのように、助けられなかった人は大勢いたし、ボタンは誰もわからないような難しい場所にある…ボタンを見つけられる自信がないし、あやめの人たちはかなたちゃんのような人を生かす気はないと思うから」
なるほど…
でもまだ希望はあるはず…
「いいのよ。私、1人で死ぬ気だから」
!?
「えっ」
さすがに愛菜も動揺してる。
「な、なんで!?かなたちゃんは悪いことしてないのに…!?」
「違う。そういう意味で死ぬんじゃない。自殺みたいなもんだって思って」
「死なないで!」
話がまとまらない。
「もう、いいのよ。ボタンを探しに行かなくてもいい。私の人生って、案外死んだ方が楽なのよ」
死んだ方が楽…?
だったらかなたは死にたいと思うほど辛い目に遭っているってこと…?
「案内人さん、時間を早めることってできる?」
『あらん?珍しいねえ、自殺なんて?まーいいや!ほんじゃ、ここで終了にするねー♪』
「ちょっと待って!」
ビーーーーーーー!
普段よりも早く、時間切れのブザーがなる。
死亡者:水木かなた
かなた…
「私今まで、ずっと人の言いなりばっかで疲れたから、最期にこうやって自分から選択できたの、安心したわ」
「かなたちゃん!!!!!」
しかしガラス張りの部屋の中に毒ガスが充満する。
かなたは声を全く発しないで死んでいった。
「こんなはず…じゃないのに…」
このままでは愛菜が相当なショックを受けてしまう。
「愛菜は心配しなくていいよ。愛菜が殺したんじゃなくて、かなたは自分でかなたを殺したから」
とりあえず適当なこと言って愛菜を落ち着かせる。
「…うん…」
…もう終わらせてください。
辛いです。
でもまたゲームはやってくるーーーーーーー
死亡者:水木かなた(元1年1組)
生存者:8人
9ー1=8



