整形ストーカー

「今日から心機一転、頑張らないと！」
女子寮を見上げて自分に気合を入れる。

改装されたばかりだということで、白い壁の外観は太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。
まるでこれからの生活を祝福してくれているみたいで、心が踊る。

寮の中に一歩踏み入れると50代くらいの女性が出迎えてくれた。
「こんにちは。名前は？」

名簿を見ながら質問されて「飯沼千尋です」と答えると、女性は私の名前の横に赤ペンで丸をした。

それから寮内の説明書きが書かれた冊子を手渡された。
寮内の地図と、非常口の場所。

それから一応の起床時間や就寝時間も記載されている。
外へ出るときには寮母さんに告げてからではないといけないらしい。

それらの説明を読んでつい笑顔になってしまう。
自分の家ではなかったか過保護感を味わっている気分。

悪い気はしない。
「あなたの部屋は2階の角部屋よ」
そう教えられて階段を登っていく。