紺色の服はクローゼットの中央辺りにまとめて掛けられているのに、どうしてこれ一着だけ隅っこにあるんだろう?
そんな、素朴な疑問から右手を伸ばす。
他の服をかき分けるようにしてそれを確認した瞬間、心臓が止まった。
このまま動かなくなるんじゃないかというほどの強い衝撃が全身にはしる。
「これって……」
恐る恐る触れた紺色の生地は触れた覚えのあるものだった。
紺色のセーラー服。
胸には飯沼千尋と書かれたネームがつけられたままだった。
☆☆☆
すぐにクローゼットを締めてリビングへ戻る。
ソファに座ってわざとらしくテレビのリモコンを手にしたところで、雪菜がコーヒーカップをふたつ持って戻ってきた。
「おまたせ」
カップからは湯気が立ち上り、香ばしい香りがリビングに立ち込める。
いつもは美味しそうだと感じるその匂いも、今は何も感じられないものになってしまっていた。
「次になに見るか決めた?」
そんな、素朴な疑問から右手を伸ばす。
他の服をかき分けるようにしてそれを確認した瞬間、心臓が止まった。
このまま動かなくなるんじゃないかというほどの強い衝撃が全身にはしる。
「これって……」
恐る恐る触れた紺色の生地は触れた覚えのあるものだった。
紺色のセーラー服。
胸には飯沼千尋と書かれたネームがつけられたままだった。
☆☆☆
すぐにクローゼットを締めてリビングへ戻る。
ソファに座ってわざとらしくテレビのリモコンを手にしたところで、雪菜がコーヒーカップをふたつ持って戻ってきた。
「おまたせ」
カップからは湯気が立ち上り、香ばしい香りがリビングに立ち込める。
いつもは美味しそうだと感じるその匂いも、今は何も感じられないものになってしまっていた。
「次になに見るか決めた?」



