ホスト科のお世話係になりました

先に職員室へ行って鍵をもらってくるべきだったと思いながら胸にネームをつけていると、汰斗がやってくるのが見えた。

「お疲れ様」
声をかけると汰斗が驚いたように目を見開いた。

「今日はやけに早いな。どうかしたのか?」
「うん。侑介くんのことが気になって」

汰斗がドアの鍵を開けてくれるのをまって、ふたりで部室へと入っていく。
「クスリを飲んでいたから、大丈夫だと思うけどな」

「うん。それならいいんだけど……」
「まだなにか、気になるのか?」
カーテンを開けながら質問されてドキッとする。

さすがホストをしているだけあって、人がなにかを隠しているとすぐに見抜いてくるみたいだ。