ホスト科のお世話係になりました

「私はもうホスト科とは無関係な人間なんだから、相談くらい乗るよ?」

前髪をかきあげてそういう梨奈には、昔のように腹黒い思惑はなさそうだった。
「尋のことはもういいのか?」

「お世話係を辞めた時点で諦めたよ。今は彼氏もいるから、安心して?」
梨奈に彼氏。
なんだか不思議な気分だ。

さっき愛美に話した、尋のことを好きになったお世話係は梨奈のことだった。

当時は恋愛感情を隠して仕事を続けていたことに、ひどく怒ってしまった。
「尋はやっぱり魅力的だったか?」

「そりゃあね。大人っぽいし優しいしカッコイイし。なに? また恋愛での悩み?」
「いや、本人は否定してるけど、でもわからなくて」