オリヴィアはスカートの裾を両手で少し持ち上げて、木の胴回りを小走りで回った。すると、なんと強情なことに、エドモンドはまたも移動しはじめた。しかも歩幅が違いすぎるため、オリヴィアは走っているのに、エドモンドはゆっくりと大きく足を進めていくだけだ。
「……っ……ノースウッド伯爵!」
思わず声を上げながら、オリヴィアはエドモンドの背中を追った。
そして、幹の回りを二、三周したところだっただろうか。突然、エドモンドが立ち止って振り返ったので、オリヴィアは彼の胸の中に軽く突進をするような感じで入っていった。
そして、意外なことに……エドモンドは両手を広げてオリヴィアを迎えていた。
走ったことで温まりはじめた身体が、もう一つの身体の熱と出会い、交じり合って、熱くなる。
気が付けばオリヴィアは、エドモンドの腕の中に抱きすくめられていた。
熱い鼓動の中に。
そして、
「私がいくら突き放そうとしても――」
優しい、とさえいえるような穏やかな口調で、エドモンドは呟いていた。
「あなたはこうして私を追ってくる……。私は、どうすればいいんだ? どうやってあなたを逃がしたらいい?」
「……っ……ノースウッド伯爵!」
思わず声を上げながら、オリヴィアはエドモンドの背中を追った。
そして、幹の回りを二、三周したところだっただろうか。突然、エドモンドが立ち止って振り返ったので、オリヴィアは彼の胸の中に軽く突進をするような感じで入っていった。
そして、意外なことに……エドモンドは両手を広げてオリヴィアを迎えていた。
走ったことで温まりはじめた身体が、もう一つの身体の熱と出会い、交じり合って、熱くなる。
気が付けばオリヴィアは、エドモンドの腕の中に抱きすくめられていた。
熱い鼓動の中に。
そして、
「私がいくら突き放そうとしても――」
優しい、とさえいえるような穏やかな口調で、エドモンドは呟いていた。
「あなたはこうして私を追ってくる……。私は、どうすればいいんだ? どうやってあなたを逃がしたらいい?」


