「こちらの日陰に来なさい」
エドモンドは穏やかに言った。「日がもう少し穏やかになるまで、私たちはここで横になるべきだ」
「横になる?」
「眠るという意味だ。ここは昼寝にもちょうどいい。あなたには想像もできないかもしれないが」
「でもベッドがありません。私、ベッドのない場所で眠ったことがないのです」
「何事にも最初というものがある」
「まぁ……」
確かにその通りですけれど、と、もごもご呟いたオリヴィアは、恐ろしさ半分、興味半分という感じでエドモンドの示した若木の下の木陰に進んだ。
エドモンドはバスケットに手を伸ばし、その中から大判の布を抜き取って手際よくパンの粉を払うと、地面に敷く。
「この辺りの土は乾いているうえに柔らかい……ベッドよりもずっと心地いいと、すぐに気付くだろう」
オリヴィアは期待を込めた一瞥をエドモンドによこすと、言われたとおり布のうえに身体を横たえた。
──その過程で、図らずもオリヴィアの豊かな胸元が揺れるのが見えて、エドモンドは全身を固くした。
全身の……まぁ、色々な部分を。
「あなたは休まないのですか? ノースウッド伯爵」
穏やかなオリヴィアの問いに、歯を食いしばったままのエドモンドはしばらく答えないでいた。オリヴィアは辛抱強く答えを待っていたが、やがて諦めて、曖昧な微笑みを浮かべて言う。
「仰ったとおりですね。ここは、ベッドよりも心地いいわ」
そして、オリヴィアは肩を倒して仰向けになり、目を閉じた。
最後に一言、
「でも、あなたが隣で寝てくれれば、もっと安心できると思います」
と言い残すと、すぅっと無邪気に寝入っていった。
エドモンドは穏やかに言った。「日がもう少し穏やかになるまで、私たちはここで横になるべきだ」
「横になる?」
「眠るという意味だ。ここは昼寝にもちょうどいい。あなたには想像もできないかもしれないが」
「でもベッドがありません。私、ベッドのない場所で眠ったことがないのです」
「何事にも最初というものがある」
「まぁ……」
確かにその通りですけれど、と、もごもご呟いたオリヴィアは、恐ろしさ半分、興味半分という感じでエドモンドの示した若木の下の木陰に進んだ。
エドモンドはバスケットに手を伸ばし、その中から大判の布を抜き取って手際よくパンの粉を払うと、地面に敷く。
「この辺りの土は乾いているうえに柔らかい……ベッドよりもずっと心地いいと、すぐに気付くだろう」
オリヴィアは期待を込めた一瞥をエドモンドによこすと、言われたとおり布のうえに身体を横たえた。
──その過程で、図らずもオリヴィアの豊かな胸元が揺れるのが見えて、エドモンドは全身を固くした。
全身の……まぁ、色々な部分を。
「あなたは休まないのですか? ノースウッド伯爵」
穏やかなオリヴィアの問いに、歯を食いしばったままのエドモンドはしばらく答えないでいた。オリヴィアは辛抱強く答えを待っていたが、やがて諦めて、曖昧な微笑みを浮かべて言う。
「仰ったとおりですね。ここは、ベッドよりも心地いいわ」
そして、オリヴィアは肩を倒して仰向けになり、目を閉じた。
最後に一言、
「でも、あなたが隣で寝てくれれば、もっと安心できると思います」
と言い残すと、すぅっと無邪気に寝入っていった。


