オリヴィアはしばらく、ぼうっとエドモンドの喉元あたりを見ていた。白くて細い自分の首とは似ても似つかない逞しい造りに、一種の神秘を感じてしまう。
同じ人間なのに、神さまはずいぶん彼を贔屓なさったんだわ、とオリヴィアはぼんやりと思った。
近くで見つめ続けていると、エドモンドはそのくらい美しい。都会によくいる垢抜けたブロンドのハンサムとは違った、もっと原始的な美しさだ。男性そのものの美しさ。
綺麗に刈られた芝生ではなくて、荒々しく切り立ったむき出しの崖……。
美しいけれど、近づいては危険なもの……。
「あの……」
オリヴィアが小声で呟くと、エドモンドは視線を彼女に戻す。「もう大丈夫です。少し、立ちくらみがしただけなので」
「あなたはまだ顔色が悪いように見える」
と、エドモンドは不機嫌に返した。
このとき気付いたのだが、エドモンドの喋り方にはいつも断定の響きがある。
相手に是非を尋ねたり、同調を求めたりといった、女っぽい喋り方を滅多にしないのだ。彼の領主魂は本物らしい。
つまり、反論はあまり賢い選択ではない、ということだ。
「もう少しだ……。もう少しだけでいい、こうしていなさい」
エドモンドの言葉に、オリヴィアはなぜか心地のいい疲れを感じた。
そして、こうして二人で寄り添っていることが、どうしてだろう……まるで正しい運命のように思えた。
同じ人間なのに、神さまはずいぶん彼を贔屓なさったんだわ、とオリヴィアはぼんやりと思った。
近くで見つめ続けていると、エドモンドはそのくらい美しい。都会によくいる垢抜けたブロンドのハンサムとは違った、もっと原始的な美しさだ。男性そのものの美しさ。
綺麗に刈られた芝生ではなくて、荒々しく切り立ったむき出しの崖……。
美しいけれど、近づいては危険なもの……。
「あの……」
オリヴィアが小声で呟くと、エドモンドは視線を彼女に戻す。「もう大丈夫です。少し、立ちくらみがしただけなので」
「あなたはまだ顔色が悪いように見える」
と、エドモンドは不機嫌に返した。
このとき気付いたのだが、エドモンドの喋り方にはいつも断定の響きがある。
相手に是非を尋ねたり、同調を求めたりといった、女っぽい喋り方を滅多にしないのだ。彼の領主魂は本物らしい。
つまり、反論はあまり賢い選択ではない、ということだ。
「もう少しだ……。もう少しだけでいい、こうしていなさい」
エドモンドの言葉に、オリヴィアはなぜか心地のいい疲れを感じた。
そして、こうして二人で寄り添っていることが、どうしてだろう……まるで正しい運命のように思えた。


