Lord of My Heart 〜呪われ伯爵の白い(はずだった)結婚〜

 もう終わりかもしれないと、オリヴィアは思った。
 ついに、彼が与えてくれたひと月の猶予と機会を、自分で壊したのかもしれない──。

 でも今は我慢することが出来なかった。身体の具合が悪いのにくわえて、久しぶりの乗馬、はじめての森。オリヴィアの理性を乱す理由がいくつもあった。
 おまけに、エドモンド自身が森まで付き合ってくれるということで、オリヴィアは過剰な期待をしていたのだ。

 愛を語り合うとまではいかなくても、二人きりで、自然の中で穏かに夫婦の時間を過ごせるのではないかと。

 それをエドモンドときたら、まるで誰かと競争でもしているかのように黙々と仕事をするだけ。
 おまけに、オリヴィアの仕事が遅いと、まるで使用人に対するように責める。

 悪魔だ!