声が上ずったが、オリヴィアは続けた。
「もちろん、私を追い出したくてわざと意地悪を言ってらっしゃるなら、素晴らしい手腕だわ。確かに実家に帰りたい気分になります。でも今は、ただハーブ狩りに来ただけでしょう? 私たちは協力するべきだわ! そんな頭ごなしに叱るのではなくて、やり方くらい教えて下さってもいいじゃないですか!」
そして、持っていたハサミをパシッと土の上に投げつけた。
目頭の辺りが急にじんじんとして、涙が出そうになるのをこらえるために何度も目をしばたたいたが、効果はなかった。
大粒の涙が次から次へと流れてきて、オリヴィアの青白い肌を濡らしていった。
──もう嫌だ。
最近、ずっと泣いてばかりの気がする。
オリヴィアは元から気の強い性質とは違ったし、人よりも涙腺の弱い自覚はあった。
たとえば飼い猫が病気になったとか、大切にしていたバラの木が枯れてしまったとか、悲しい物語を読んだりしたとかだけで泣いてしまう。昔からそうだ。
しかし、楽天家でもあった。
こんな風に毎日毎日泣き続ける生活なんてしたことがない。いつだって悲しみの中に希望を見つけることができた。
でもエドモンドにはそれが通用しない。
どれだけオリヴィアが頑張っても、こうして端から否定するばかりで──。
「あなたはわたしに、何も教えてくれないわ! それは、すごく……馬鹿みたいなことです! 誰のためにもならないんですから!」
「もちろん、私を追い出したくてわざと意地悪を言ってらっしゃるなら、素晴らしい手腕だわ。確かに実家に帰りたい気分になります。でも今は、ただハーブ狩りに来ただけでしょう? 私たちは協力するべきだわ! そんな頭ごなしに叱るのではなくて、やり方くらい教えて下さってもいいじゃないですか!」
そして、持っていたハサミをパシッと土の上に投げつけた。
目頭の辺りが急にじんじんとして、涙が出そうになるのをこらえるために何度も目をしばたたいたが、効果はなかった。
大粒の涙が次から次へと流れてきて、オリヴィアの青白い肌を濡らしていった。
──もう嫌だ。
最近、ずっと泣いてばかりの気がする。
オリヴィアは元から気の強い性質とは違ったし、人よりも涙腺の弱い自覚はあった。
たとえば飼い猫が病気になったとか、大切にしていたバラの木が枯れてしまったとか、悲しい物語を読んだりしたとかだけで泣いてしまう。昔からそうだ。
しかし、楽天家でもあった。
こんな風に毎日毎日泣き続ける生活なんてしたことがない。いつだって悲しみの中に希望を見つけることができた。
でもエドモンドにはそれが通用しない。
どれだけオリヴィアが頑張っても、こうして端から否定するばかりで──。
「あなたはわたしに、何も教えてくれないわ! それは、すごく……馬鹿みたいなことです! 誰のためにもならないんですから!」


