ハーブ狩りは黙々と行われた。
エドモンドがたいして喋らないのは今に始まったことではないが、オリヴィアが静かなのは珍しい。
実は、オリヴィアは今朝からあまり具合がよくなかった。
あまり食欲が湧かなくて、朝食も果汁を少し飲んだだけで終わらせていたし、時々意識がぼんやりとかすむのを感じていた。
慣れない仕事を続けてきた疲れが溜まったせいだろうと、なんとなく分かってはいるが、かといって熱が出るほどではないので頑張れる。
それでも、馬で駆けたさらにその後で、気難しい夫との会話をひねくり出せるほどの気力は残っていなかったのだ。
エドモンドは素晴らしい速さでハーブを摘んでいった。
器用に雑草をかき分け、目ぼしいハーブを見つけると素手で取って、軽く土を落とすと綺麗に束にしてまとめる。エドモンドが手首ほどの太さの束を一つ作るあいだ、オリヴィアはハサミを使って二、三本取っている、という感じだ。
オリヴィアは魔法でも見るように感心しながら、エドモンドの一挙一動を見つめていた。
それに気がついたエドモンドが、ふと、静かに顔を上げてオリヴィアを見る。
目が合うと、エドモンドは手の動きを止めてオリヴィアの全身をじっくりと眺めた。そして、しばらくの沈黙の後、ぽつりと言った。
「今日は、ここへ来るべきではなかったようだ」
「え……」
エドモンドがたいして喋らないのは今に始まったことではないが、オリヴィアが静かなのは珍しい。
実は、オリヴィアは今朝からあまり具合がよくなかった。
あまり食欲が湧かなくて、朝食も果汁を少し飲んだだけで終わらせていたし、時々意識がぼんやりとかすむのを感じていた。
慣れない仕事を続けてきた疲れが溜まったせいだろうと、なんとなく分かってはいるが、かといって熱が出るほどではないので頑張れる。
それでも、馬で駆けたさらにその後で、気難しい夫との会話をひねくり出せるほどの気力は残っていなかったのだ。
エドモンドは素晴らしい速さでハーブを摘んでいった。
器用に雑草をかき分け、目ぼしいハーブを見つけると素手で取って、軽く土を落とすと綺麗に束にしてまとめる。エドモンドが手首ほどの太さの束を一つ作るあいだ、オリヴィアはハサミを使って二、三本取っている、という感じだ。
オリヴィアは魔法でも見るように感心しながら、エドモンドの一挙一動を見つめていた。
それに気がついたエドモンドが、ふと、静かに顔を上げてオリヴィアを見る。
目が合うと、エドモンドは手の動きを止めてオリヴィアの全身をじっくりと眺めた。そして、しばらくの沈黙の後、ぽつりと言った。
「今日は、ここへ来るべきではなかったようだ」
「え……」


