──『呪いは存在しない。まぁ、多分、な』
今こそ二人は「呪い」から解き放たれる必要があった。
そのために、ピートの秘密はきっと役に立つ。
今までオリヴィア一人で頑張ろうとしていたから聞き出せなかっただけで、エドモンドが協力してくれれば、状況はいい方に変わるかもしれない。なんとしても聞き出さなくては。
「『バレット家の呪い』について……」
ここまでオリヴィアが言うと、エドモンドはいきなりビクリと反応し、彼女を握りしめる手を痛いほどきつくした。ハッとしたオリヴィアが夫の顔を見上げると、そこには言葉では言い表せないほど緊張した表情のエドモンドがいた。
オリヴィアはすぐ不用意なものの言い方に後悔したが、遅いものはもう遅い。
幸せそうだったエドモンドの顔つきは、見る間におなじみの頑固そうな強ばった形相にもどっていて、広い肩は極度に凍りついている。
オリヴィアは自分の額に冷や汗が浮かぶのを感じた。
あれだけ苦労して懐柔した頑な夫の心を、舌足らずの不注意からまた元の強固な要塞の中へと送り返してしまったのかもしれない。
馬鹿!
どうして計算というものが出来ないの!


