しん……と。
急に静まりかえった部屋の奥で、オリヴィアは息を飲んだ。
そして、オリヴィアがなんとか首を動かしてエドモンドの方に向き直ったとき、彼の瞳はすでにオリヴィアをしっかりととらえていた。まるで飲み込むように、じっとオリヴィアを見つめている。
破られた窓から雨を含んだ冷たい風が吹き込んできて、二人の髪を揺らす。
「オリヴィア……ああ、オリヴィア」
エドモンドが呟いた。
その声も、表情も、ついさっきまで二人の男を焼き殺そうとしていた凶暴な男のものとは思えないほど、穏やかになっている。
オリヴィアはたまらなくなって、ベッドを飛び降りると、そのまま彼の胸の中に飛び込んでいった。
そう、彼はオリヴィアを守ってくれただけなのだ。
そして、エドモンドがオリヴィアを受け止めて大きな両腕に彼女を包み込んだとき、オリヴィアは、彼の身体がかすかに震えていることに気がついた。
ノースウッド伯爵が震える……そんなことが、あるなんて。
オリヴィアは顔を上げ、エドモンドの緑の瞳を覗き込んだ。そこには、底知れぬほどの愛情と、渇望と、そしてそれと同じくらい深い不安が浮かんでいた。
少なくとも、オリヴィアにはそう見えた。


