「エドの旦那、エドモンドの旦那、やっと見つけた、ここだね!」
厩舎の入り口に、朝日を背にした小さな人影が映り、エドモンドは顔を上げた。
マギーだった。
もともと赤らんだ顔をますます紅潮させて、走って来たのか肩で息をしている。しかし彼女は、黄ばんだエプロンで手を拭いながら、休む間もなく喋り始めた。
「一体どうしてそんな怖い顔で馬の世話をしてるんだい? それに、そんなに力を入れてたら馬に傷がついちまうよ。まぁ、その前に蹴っ飛ばされなければの話だけどね」
「マギー」
「まぁいい、とにかく、そんな事より大事な話だ。どうして言ってくれなかったんだい。私がこの屋敷で唯一の経験のある女だって、分かってるだろ?」
何を言われているのか理解できず、エドモンドは不可解な顔をした。
マギーはますます早口でまくし立てる。
「あの小さな奥さんのことだよ! 私はあんたやローナンの乳母として頑張ってきたつもりだけど、こんなふしだらな男に育て上げたつもりはないね。まったく、女と墓石の見分けもつかないような堅物だと思ってたら、何て事をなさったんだい!」
「申し訳ないが、マギー、何について話しているのか見当もつかない」
厩舎の入り口に、朝日を背にした小さな人影が映り、エドモンドは顔を上げた。
マギーだった。
もともと赤らんだ顔をますます紅潮させて、走って来たのか肩で息をしている。しかし彼女は、黄ばんだエプロンで手を拭いながら、休む間もなく喋り始めた。
「一体どうしてそんな怖い顔で馬の世話をしてるんだい? それに、そんなに力を入れてたら馬に傷がついちまうよ。まぁ、その前に蹴っ飛ばされなければの話だけどね」
「マギー」
「まぁいい、とにかく、そんな事より大事な話だ。どうして言ってくれなかったんだい。私がこの屋敷で唯一の経験のある女だって、分かってるだろ?」
何を言われているのか理解できず、エドモンドは不可解な顔をした。
マギーはますます早口でまくし立てる。
「あの小さな奥さんのことだよ! 私はあんたやローナンの乳母として頑張ってきたつもりだけど、こんなふしだらな男に育て上げたつもりはないね。まったく、女と墓石の見分けもつかないような堅物だと思ってたら、何て事をなさったんだい!」
「申し訳ないが、マギー、何について話しているのか見当もつかない」


