ざわつく舞踏室は、外の雨と同じくらい騒がしくせわしない。
それでも、ファレル兄妹とバレット夫妻のやり取りは招待客たちの関心を存分に集めていた。
踊りと踊りの間を持たす演奏を続けている楽団たちも、屋敷の主人があまり名誉があるとはいえない状況に陥っているのを感じて、急に気の利いた明るいメヌエットに曲調を変えた。
いくらか聴衆の興味を引き戻した楽団は、さらにペースを上げて演奏し続ける。
エドモンドはそれも構わず、周囲を無視し、何かにとりつかれたような真剣な目でオリヴィアを見下ろしていた。
「そして、マダム。私たちは……少し話し合う必要がありそうだ」
と、エドモンドに言われて、オリヴィアはなんとか首を縦に振ってうなづくのに成功した。
今のエドモンドに冷静な話し合いの余地があるようには見えなかったが、それでも、この混乱した状況を整理するためには文明的な手段を選ぶのが賢そうに思える。
──そうでなければ、彼はこのまま良識を捨て去ってしまいそうだった。
ガブリエラの首を素手で絞めてしまうとか。
ヒューバートの横っ面に拳を放つとか。
それともまた……オリヴィアを強く引き寄せて、聴衆の前での情熱的な口付けの続きをするとか。


