オリヴィアは蒼白になった。
二人の結婚が愛から始まったものでないことをはっきり指摘されて、心臓が鷲づかみにされたような胸の痛みと、動悸に襲われた。
はっきりと言われたことはないが、エドモンドがこの結婚に承諾した理由は、オリヴィアの持参金だ。
彼はバレット家の呪いのせいで愛のない結婚と『どうでもいい妻』を望んでいて、そのための相手にオリヴィアを選んだのだ──。
ずっと田舎に引っ込んでいたせいで気に留めることはなかったが、エドモンドは伯爵という地位を有した、若く魅力的な男性だ。彼に想いを寄せていた女性の一人や二人がいても不思議ではない。
こんなふうに。
「私は……私はただ……」
オリヴィアは消え入りそうな声で言おうとした。
私はただ、ただ、ノースウッド伯爵が好きなだけ。それ以外は、この結婚も、いま受けたこの口付けさえも、夢みたいなもので……。
急に、エドモンドの両手が、オリヴィアの肩をがっしりと掴んだ。
彼は自分の腕力の強さをよく分かっていないようで、コルセットを付けたオリヴィアには一瞬、息苦しくなるほどの勢いだった。
「私たちの結婚について、無意味な詮索はやめていただこう」
エドモンドの声は低く、単調ではあったが、無視できない迫力がこもっている。「……ただし、彼女の誘惑が上手いことは否定しないが」
「ま、まぁ……!」
なんとかひるむ様子を見せないように、ガブリエラは虚栄心に胸を張りながら一歩下がった。


