飲み物を待っているあいだ、数人の男性に声を掛けられたが、オリヴィアはどの誘いも丁重に断り続けた。
──ヒューバートの言葉を守っている訳ではなく、対岸にいるエドモンドの視線が怖かったからだ。
彼は手に飲み物のグラスを持っていたが、持っているだけで一度も口には運んでいない。
彼の隣では、ヒューバートの妹が、大胆なドレスに包まれた身体を押し付けるように彼の周りをくねくね回っている。
許しがたい光景だったが、オリヴィアは遠くから悶々とすることしかできなかった。
(ピートはどこに行ったのかしら……)
エドモンドとオリヴィアは、舞踏室の華やかな人々と踊りを挟んで、遠くから見つめ合っていた。
(呪いの存在しない理由を聞き出せれば……ノースウッド伯爵の決心を変えられるかも知れないのに……)
屋敷の中は舞踏会の喧騒で明るく沸き立っていたが、窓の外からは雷鳴が轟いていた。
ふんだんに振舞われるカクテルの影響がだんだんと現れ始め、舞踏会の熱気はさらに大胆なものへと変わってゆくところらしかった。


