派手な赤のドレスが今シーズンの流行らしく、応接間や舞踏室のあちらこちらで真紅の布が炎のように揺らめいている。
今夜の招待客には若い連中が多く、特に華やかな集まりになりそうだった。
エドモンドはまだ主催者であるヒューバートを見ていなかったが、奴のことだ、今にポマードで塗り固めたテカテカの頭で降りてきて、偉そうだが内容のない薄っぺらい演説をはじめることだろう。
応接間はすでに人で溢れていた。
──男が多すぎることに、エドモンドは苛立ちを隠しきれない。
ここで、オリヴィアについて説明しよう。
彼女のドレスは大きく襟ぐりが開かれており、わきの下辺りでかろうじて両袖とくっついている形だった。
首から肩にかけての曲線が大胆に露出していて、豊かに張り出した胸の上に首飾りが乗ってきらきらと輝いている。
ほっそりとした腰周りはボディスできゅっと強調され、背中には小さな真珠のボタンが並んでいた……この面倒なボタンを外す権利を、エドモンドは主張したくてたまらない。
この、魅惑的な水色の瞳をした小さな生き物は現在、エドモンドの腕の中でその細い腰をくねりながら、怒ったような顔をして彼を見上げている。
彼女は、引き返すことのできない道に迷い込んでしまったことを理解していないようだった。
めずらしく癇癪のようなものを起こし、夫に抵抗しようとしている。
まったくもって愚かな選択だった。
なぜなら、適量の香辛料が料理の旨味を引き立てるように、こうした可愛らしい抵抗はエドモンドの情熱を余計にかき立てるだけだったからだ。
否、エドモンドの情熱だけならまだいいとしよう。
しかしこの舞踏会には少なく見積もって百人の男どもがおり、どれも紳士とは名ばかりの好色な野獣ばかりなのだ。
エドモンドはオリヴィアを抱く腕にさらに力を込めて、水色の瞳をじっと見つめた。
今までの人生で、一度した決心が揺らいだことなどなかった。
それがこの瞳を見つめていると、その剛鉄の心にひびが入ってきて、どうしても崩れ落ちそうになる。
このまま喧騒にまぎれて彼女を連れて、どこか知らない世界へ行ってしまいたかった。
他の男も、領地も、バレット家の呪いも存在しないどこかへ──。


