今夜屋敷で催される舞踏会について、ガブリエラは並々ならぬ執念を燃やしている。
エドモンドが新妻をともなって参加するのだ。
ガブリエラは今夜の舞踏会ために魅惑的な緑色のドレスを仕立てさせたうえに、豪華な宝石や髪飾りを用意して、その憎々しい小ねずみと張り合うために息巻いている。
ただ一つ気になるのは、兄のヒューバートの腑抜けた態度だった。
一週間ほど前にその小ねずみと会ったという兄は、どういうわけかすっかり彼女に魅了されてしまったようなのだ。
今夜はどうにか彼女をエドモンドから引き離し、上階にある寝室に引っ張り込もうと画策しているらしい。ガブリエラは憤然としたが……よく考えれば、それはなかなか都合のいい組み合わせなのだ。
兄が小ねずみ女の相手をしているうちに、私がエドモンドを誘えばいいのだから。
空は灰色の雲にさえぎられて濁っていた。
舞踏会は雨の中で行われることになりそうだった──激しい雨の中で。


