ガブリエラ・ファレルはヒューバートの年の離れた妹で、さまざまな点で兄とよく似ていた。
小ぶりの顔は抜けるように白く、高貴な印象を与えるきらめく金髪と、冷たい青の瞳を持っている。
鼻筋が細く神経質そうに見えるのをのぞけば、たしかに彼女は美しかったし、美しくあろうとする努力を惜しまない人間だった。自分はつねに人々から最高の賞賛を受けてしかるべき女王であると考えており、特に舞踏会のような場面では、自分が主役にならないと気のすまない性質だった。
兄が主催する舞踏会とあれば、なおさらのことだ。
ガブリエラとヒューバートの兄妹が唯一決定的に違う点といえば、それはノースウッド伯爵エドモンド・バレット卿に対して持っている考え方についてだった──兄ヒューバートは、エドモンドを『鼻持ちならない頑固な田舎者』であり、宿敵であると考えている。
妹ガブリエラは、その田舎者を素晴らしく魅力的な男性であると認識していた。
あの長身。
精悍で男らしい顔付き。
野性的な緑の瞳。堂々とした低い声。
いままで、どれだけガブリエラが色目を使って誘惑しても、エドモンドは決して色よい返事をしなかった。しかし、ガブリエラに対してだけではない。
エドモンドは女──特に貴族の女性に対して、いつもひじょうに慎重だった。
それが……
(成金の娘ですって! きっと醜い小ねずみのような女でしょうとも!)
エドモンドが結婚したという知らせを受けたとき、ガブリエラはそう考えることで燃え盛る嫉妬心を鎮めようとした。
哀れなエドモンドは、領地を切り盛りするために豊かな持参金が必要で、醜い成金の娘と嫌々結婚したのだ。
なんという悲劇!
彼には慰めてくれる女が必要なはずだ……。それも、彼とつり合うような高貴な女が。
そう、つまり、ガブリエラのような。


