桃色のドレスを着終わるまでの間、エドモンドは部屋の壁に肩を寄りかからせてじっとオリヴィアを見ていた。
今日の下着は薄いから、日に透けると身体の線がくっきりと見えるはずだ。
エドモンドはいっそ恐ろしいほどの無表情で、魅力的な曲線を描いている華奢な妻の身体を眺めている。オリヴィアはどぎまぎしたが、彼に部屋を出て欲しいとは思わなかった。
ドレスが着終わり、マギーが満足して部屋を出ると、エドモンドはゆっくりとオリヴィアの方へ近づいてきた。
「私が付けよう。後ろを向きなさい」
化粧机の上に置かれていた首飾りを手に取ったエドモンドは、妻の後ろに立ち回り、意外にもとても器用に留め具を外してオリヴィアの首に腕を回した。
オリヴィアは彼を助けるために自分の髪を上に持ち上げて、首飾りが付け終わるのを待った。
それが終わるとエドモンドは耳飾りを手に取ったが、今度はそう簡単にはいかなかった。
「これはどうなっているんだ……くそっ、こんな小さい穴にどうやって――」
耳飾りの仕掛けが小さく複雑だったこともあるが、エドモンドはどうしても、オリヴィアの肌になにかを刺すという考えに前向きになれなかった。
こんなに柔らかい肌に。
こんなに愛しい生き物に……どうしてそんなことができる!
しかし、
「貸してください。大丈夫、簡単ですよ」
と、オリヴィアは言って、夫の手から耳飾りを取ると、素早く自分の両耳に宝石を付けた。
エドモンドは憮然としたが、ドレスと宝石で美しく飾られたオリヴィアを見下ろしているうちに、わだかまりは少しずつ溶けていった。
こんなに美しいものは見たことがなかった。
そしてこれからも、見ることはないだろう。
「では、行こう」
エドモンドはひじを曲げて、完成された貴族の仕草でオリヴィアに腕を差し出した。
オリヴィアは彼を見上げ、優雅にその腕を取った。
「ええ、行きましょう」


