白い霧に包まれた静寂な場所で、エドモンドは一人孤独に、ぼんやりと立ちつくす夢を見ていた。
広くて寂れた、早朝のノースウッド草原のような場所だ。
自分以外に息をする生き物はいないように思われた──。もし自分が、まだ生きているのならばの話、だが。
エドモンドはなにかを探していた。
しかし、ミルク色の霧が邪魔をして、彼の視界をさえぎる。
気だるい疲労感が全身にまとわりついて、息をするのも億劫だった。それでも説明しがたい焦燥に駆られて、遠くに手を伸ばしてみるが、何も掴めない。
ただ、空虚な霧が重々しく四方を覆い、まるでエドモンドをあざ笑うかのように静かに揺れているだけだった。
この霧が無くなればいい──。
エドモンドは強く思った。
この霧が消えれば、きっとその先に──。


