その時ふと、エドモンドの片手が、オリヴィアの頬に触れた。
壊れやすいガラス細工に触れようとするような、注意深い動きだった。大きな筋だった手は、オリヴィアの頬をなでるように滑ったあと、彼女のあごの下でぴたりと止まる。
オリヴィアは一切抵抗しなかった。──まるでエドモンドは、それを待っているようだったけれど。
「私はあなたを愛するべきではない……」
と、エドモンドは言った。
オリヴィアは瞳を揺らした。「愛していない」ではなく、「愛するべきではない」……。
「なぜ……なぜですか? 私がバレット家の女主人に相応しくないから?」
「なぜなら、あなたが美しいからだ。あなたは砂糖菓子のように甘くて、真っ白い肌と空色の瞳で私を誘い、柔らかい声で私の名前を呼ぼうとする。そして……」
エドモンドは言葉を止めた。
しばらくの沈黙のあと、慎重に言葉を選びながら続ける。
「そして、私は……あなたを愛してしまったら、あなたを失えなくなる。しかし私があなたを愛せば……あなたは消えてしまう。オリヴィア」
オリヴィアはその言葉の意味を理解しようと努力した。
エドモンドがオリヴィアを愛すと、オリヴィアは消えてしまう……? でも、なぜ。
「私は消えたりしません。どこにも行かないわ。どうして、そんなことを思うの?」
「そうであればいいと思う。しかし……私はその危険を冒せない。あなたを失えない」
「私を信じてください」
「あなたを信じる、信じないの問題ではないんだ」
壊れやすいガラス細工に触れようとするような、注意深い動きだった。大きな筋だった手は、オリヴィアの頬をなでるように滑ったあと、彼女のあごの下でぴたりと止まる。
オリヴィアは一切抵抗しなかった。──まるでエドモンドは、それを待っているようだったけれど。
「私はあなたを愛するべきではない……」
と、エドモンドは言った。
オリヴィアは瞳を揺らした。「愛していない」ではなく、「愛するべきではない」……。
「なぜ……なぜですか? 私がバレット家の女主人に相応しくないから?」
「なぜなら、あなたが美しいからだ。あなたは砂糖菓子のように甘くて、真っ白い肌と空色の瞳で私を誘い、柔らかい声で私の名前を呼ぼうとする。そして……」
エドモンドは言葉を止めた。
しばらくの沈黙のあと、慎重に言葉を選びながら続ける。
「そして、私は……あなたを愛してしまったら、あなたを失えなくなる。しかし私があなたを愛せば……あなたは消えてしまう。オリヴィア」
オリヴィアはその言葉の意味を理解しようと努力した。
エドモンドがオリヴィアを愛すと、オリヴィアは消えてしまう……? でも、なぜ。
「私は消えたりしません。どこにも行かないわ。どうして、そんなことを思うの?」
「そうであればいいと思う。しかし……私はその危険を冒せない。あなたを失えない」
「私を信じてください」
「あなたを信じる、信じないの問題ではないんだ」


