(広いお屋敷、いくつ部屋があるの?)

そして、光高とともに部屋に入った。

「母上、今日は約束通り、恋人を連れてきました、森岡つぐみさんです」

「森岡つぐみと申します」

つぐみは深々と頭を下げた。

「光高さん、結婚はいつするのですか」

「つぐみの両親にも、挨拶がまだなので、また決まりましたら、ご連絡致します」

「わかりました」

そして、光高とつぐみは屋敷を後にした。

「緊張しました、私、大丈夫でしたでしょうか」

「大丈夫だよ」

「明日は日曜だから、今晩は俺のマンションに泊まれ」

「か、帰ります、一応役目は終えたんですから」

「そうか」

光高はちょっと寂しそうな表情をしたように見受けた。

(まさかね、私たちはかりそめの恋人なんだから)