双子の妹はカエルのお姫様①



確かに私は落ちこぼれで、憐れな「カエルのお姫様」なんて別名までつけられちゃっている。

それでもこの一ヶ月、陰口は言われても直接手を出されることはなかった。

なのに、どうして急にこんな手の込んだ嫌がらせを?


「しらばっくれないでよねぇ。あんた昨日、生徒会室に入っていったじゃない!」

「勝手に生徒会の方々に近づくなんて図々しすぎない?」


……なるほど、そういうことですか。
それでこんな陰湿な嫌がらせを仕組んだんだ。だけど結構痛いんだよ刃物って。分かってやってるのかな。

それでも理由は判明したし、下手に相手にはしないで保健室に行ったほうがよさそう。

私は落とした鞄を拾い上げる。


「生徒会と仲良くした覚えはありません。あなたたちは勘違いしていますよ」


立ち去る際にそれだけを言って、私は三人に背を向けた。
去り際の顔を見るに、納得してはくれていないみたいだった。


……いてて、少し右手が痺れてきたな。

保健室で手当てが終わり、私は急いで教室に向かった。

教室に入るとクラスメイトはすでに着席しているものの、教師はまだ来ていないみたいだった。

遅刻扱いにならずに済んで安心したけれど、注目を浴びて向けられた視線はいつもより一段と強い気がする。

「……!」

自分の席まで行くと、思わず目を見張ってしまった。
机には「落ちこぼれ」「汚いカエル」「生徒会に取り入るな」など中傷の言葉が書かれていた。

椅子を引いて座れるかどうかを確認する。良かった、椅子には何もされていない、座れる。

私はほっとしながら椅子に座り、頬杖を付いた。

それからは意外と何事もなく、時間は過ぎていった。


こういう遠回りな嫌がらせって漫画とかでしか見たことがなかったけど、実際に自分が当事者になると落ち着かない。

それからあっという間に昼休みになった。

私はお弁当を持って教室を出ていく。

いつもの屋上に向かうため、階段を上っていたときだった。

忘れた頃に……というやつなのか、突然頭上から大量の氷水が私に降ってきたのである。

「……っ!?」

またしても、放心状態。