「自分たちが周りからどう見られてんのか分かんないんだよね。学校じゃ誰も話しかけてこないし」
淡々とそう言いながら、ギャルソンくんが肩をすくめる。
みんなが話しかけないのは当たり前。
ギャルソンくんとメーテルくんに声をかけるヤツは命知らず、なんて言われてるくらいだから。
「みんな恐れ多いんだと思いますよ。なんていうか、おふたりのオーラがすごすぎて……? 気高くて綺麗で拝めたらラッキー、みたいな扱いなので」
「はは、俺の地雷踏まないように必死だねえ」
「地雷?」
「正直に言っていいのに。ふたりは問題児で学校中の嫌われ者ですって」
「え? ええっ、そんなことないですよ」
思わず前のめりになってしまった。
「男女問わず憧れの的って感じだし、特に女子の間にはファンクラブみたいなのもあってお近づきになりたいって子もいっぱいいるし……。まあ、嫌いだとか迷惑だとかボコボコに悪口に言ってる人もいなくはな……い……け、ど」



