𓂃˚‧ 𓆸


エレベーターの上に並ぶ数字の「3」が光った。

扉が開いたかと思えば、まもなく誰かの影が立ちふさがる。



「ギャルソン君。到着早々すみませんが、総長がお呼びです」


そう告げた金髪の男性が、ふと私を見た。



「ギャルソン君、この女は……」

「見てわかんない?」



直後、思わず息を呑む。

だって、ギャルソンくんが私の肩を抱いている────



「……失礼しました。ひとまずこの方は、俺が中に案内させていただきます」

「誰にも触らせないでね」


「承知しました」

「…………。やっぱ心配だな。念のため、会場入ったらこの子をメーテルのとこに連れてってよ」


その瞬間、相手の目が見開かれた。
明らかに動揺している。


「え……っと。俺もそれが一番安全だと思ういますが……ギャルソン君はそれでいいんですか?」

「気に食わなくても信頼はしてるから」

「……はい、わかりました」