ギャルソンくん、

メーテルくんはギャルソンくんの手を雑に振り払うと、ゆっくりと立ち上がって私たちに背を向けた。


「起こしてくれてどうも。じゃーまたあとで。────あゆかちゃんも」




実在するのに、まるで都市伝説のように語られる、噂のギャルソンくんとメーテルくん。

そんなふたりの世界は実際に触れてもなお、どこか遠くの物語みたいだった。
もしかしたら、私はまだ夢の続きを彷徨っているのかも。