ギャルソンくん、

𓂃˚‧ 𓆸


「あゆ、いっしょに帰れなくてごめんね?」

「全然へーき。デート楽しんでね」


放課後。

今からデートだという琴音ちゃんとは校門で別れることになった。


「なんかあったらすぐラインしなね」

「はあい」

「寂しかったらいつでもウチに泊まりに来ていいからねっ、彼氏より全然優先するし!」



琴音ちゃんの過保護ぶりに笑ってしまう。


「もう大丈夫だよー、小学生じゃないんだから」

「えー? あの頃は毎日泣いてたくせに」

「大げさな。ていうか思い出させないでよ恥ずかしい、私もう高校生ですよ。ほら、早く行った行った〜」


琴音ちゃんの肩をつかんで、をぐいぐいと校門の外に押しやる。


「あゆも早く彼氏つくりなよ? じゃーね!」


苦笑いを返して、その背中を見送った。