「待っって、その反応は、いるな!?」
「……っ、は、はい……」
その返答に「やばい!詳しく教えて!?」と、琴音ちゃんがさらに食いついて。
だけどその直後、邪魔するように始業のチャイムが鳴った。
「超気になりすぎる! 絶対今度教えてよ、ねっ、わかった!?」
コクコクと、ロボットみたいにうなずく桜木さん。
その目が、ふいに私を見た。
「ごめんね、琴音ちゃんていつも強引だから」
「う、ううんっ、全然……! 話せるの、うれしい……ふたりのこと、憧れてた……から」
語尾が小さくてよく聞き取れなかったけど、はにかんだような笑顔に胸がぎゅ、となる。
なんていうか……ふわふわ。
それも嫌味のないふわふわ。
この子のそばにいて好きにならない男なんていない気がする。
桜木さんの好きな人がどんな人なのか、わりと本気で知りたい、かも……。
そう思った直後に先生が教室に入ってきてガッカリ。
はあ、タイミング悪いよね。
仕方がないので私は桜木さんにそっと耳打ちをした。
「また私らと恋バナしようね」



