「あのごめんなさい、席、いい、ですか……?」
その控えめな声に気づいた琴音ちゃんが、飛び上がる勢いで席を立つ。
「桜木さん! ごめんねいつも席使っちゃって!迷惑だったら言ってね? てか桜木さんも一緒に喋ろうよ〜好きな人とかいないのっ?」
コミュ力おばけの琴音ちゃんに話しかけられ、桜木さんは戸惑ったように一歩退いた。
その顔は、みるみるうちに真っ赤になっていく。
「えと、わたしでよければ……、その、す、好きな人……は……」
目を泳がせながら、しどろもどろ。
ただでさえ人見知りの桜木さん。
いきなり恋の話題なんてもち出されたら、こうなるのも仕方がないと思う。
………ていうか。
可愛すぎる……。小動物みたい。
少女漫画に出てくる癒やし系のヒロインそのもの。
女の私でも、もし告白されたら普通にオッケーしちゃいそうかも……。



