テキトウに座っていただけだからあまり思い出せない。
元カノについて延々と聞かされていたような気もするけど……。
唯一覚えているのは、やっぱり。
「ギャルソンくんのこととか、かなあ」
「あーね? それよか聞いてよ~」
そう言いながら、琴音ちゃんは私の前の空いている席にどんっと腰をおろした。
「あたし、二次会のあと狙ってた男にお持ち帰りされちゃった!」
「へえ〜、おめでとう」
「反応薄〜」
「だっていつものことすぎて。琴音ちゃんは百発百中が当たり前でしょ」
「そんなゲームみたいに言わないでよ! 今度はほんとのほんとのホンキなの!」
そのとき。
琴音ちゃんの叫びに混じって、かすかに誰かの声が聞こえた気がして、私はおもむろに顔を上げた。
そこに立っていたのは、クラスメイトの桜木さん。



