ギャルソンくん、


「同じ学校の私より詳しいって何事なのタクミくん」

「わろた、逆にあゆちゃんが知らなさすぎじゃん? その様子じゃ、月神のお姫様のハナシも知らなさそうだね」

「……オヒメサマ?」


いまいちピンとこないワードに首を傾げる。


「月皇にとって1番大事な女のこと。名前は明かされてないけど、その子はギャルソンたちと同じ学校にいるらしーよ。つまりはあゆちゃんとも一緒ってことだ」


もしかしたらあゆちゃんと同じクラスにいたりして、とタクミくんが笑う。

お姫様か……。
童話みたい。


現実味のないワードだ。
もはや異世界でしょこんなの。


まあ、ギャルソンだとかメーテルだとかの時点でそれはわかりきってたことだけど。

私たちとは住む世界がそもそも違うんだよね、と、今更ながら再認識させられる。



「お姫様がいるってことは、王子様もいるの?」

「おおっ、あゆちゃん鋭いねえ。そう、いるんだよ王子様。ま、知らんけど」

「あは、知らないんだ。タクミくんテキト〜」