キミとまた、あの流星を

 


 ーーーバシッ



 リビングに、乾いた音が響く。

 父親に殴られた少女の頬は、赤く染まっている。

 他にも、腕や足に数え切れないほどのおびただしい大きな痣や包帯が巻かれていた。



 この家族は、崩壊していた。



 容赦なく暴力を振るう父親。

 自分を標的にされたくないが為に無視を貫く母親。

 現状を愉しむかのような態度を見せる兄。

 そして、されるがままに暴力を受ける少女。



 そんな崩壊した家族から逃げるかのように、少女は深夜に家を飛び出した。

 

 あるはずもない、希望を求めて。



 夜の街は、真っ暗で、綺麗で、光に溢れていた。

 少女はそこで、翼がはためく音を聴いた。

 見上げると、彼がいた。



 夜を表したような黒髪。

 獲物を捕らえんとするような黄金色の瞳。

 ーーーそして、漆黒の翼。



「お前、名は」



 それが、少女と彼の出逢いだった。