「如月先生、どちらにいらしてたんですか?
何度もお電話さし上てたのに…。」
如月が医局に戻るのを待ち構えていたかのように、椎名香が仁王立ちして立ち塞がる。
「既に定時は1時間も過ぎました。タイムカードを切ったら俺のプライベートの時間です、貴方に干渉される筋合いはない。」
そう言いながら如月はPCで退勤を押し、荷物を机から引っ張り出す。
既に8時を回っている医局には、当番医と看護師が当直室に移動していて、椎名と如月しかもういなかった。
「如月先生、この後お食事でもどうですか?父が一度如月先生と会食したいと言っておりまして、良かったら自宅のディナーにご招待しますわ。」
空気を全く読まない女、椎名香がまるでそれは名誉な事なのよ、とでもいいたげに如月に詰め寄ってくる。
「今夜は先約がありますので失礼します。」
如月がいつもの塩対応で、サッサと医局を出ようと歩き出す。
「あら…父の誘いを無碍にして良いのかしら?私立病院で生き抜くためには、病院理事長を大事にしないといけないんですのよ。」
鼻にかけた物言いは、これまでも既に何度がカチンときていたのだが…
「申し訳ないが、俺は出世も階級も興味はない。医師として働ける場所があるならどこでもいいんだ。急いでいるから失礼します。」
踵を返して医局を出る。
「貴方は、それでもいいんでしょうね。一躍スター医師だもの、いろいろな病院から貴方へのオファーがあるのは知ってるわ。でも、松原千紗さんはどうかしら?障害者雇用は転職が難しいでしょうね。」
夜の薄暗い病院の廊下で、腕を組んで見下げるように立つ椎名香が般若のように見えた。
「彼女は関係ないだろ巻き込むな。ここ数ヶ月我慢して来たが、彼女に何がしたら容赦しないからな。」
如月は怒りと共にそう言い放ちその場を後にした。
何度もお電話さし上てたのに…。」
如月が医局に戻るのを待ち構えていたかのように、椎名香が仁王立ちして立ち塞がる。
「既に定時は1時間も過ぎました。タイムカードを切ったら俺のプライベートの時間です、貴方に干渉される筋合いはない。」
そう言いながら如月はPCで退勤を押し、荷物を机から引っ張り出す。
既に8時を回っている医局には、当番医と看護師が当直室に移動していて、椎名と如月しかもういなかった。
「如月先生、この後お食事でもどうですか?父が一度如月先生と会食したいと言っておりまして、良かったら自宅のディナーにご招待しますわ。」
空気を全く読まない女、椎名香がまるでそれは名誉な事なのよ、とでもいいたげに如月に詰め寄ってくる。
「今夜は先約がありますので失礼します。」
如月がいつもの塩対応で、サッサと医局を出ようと歩き出す。
「あら…父の誘いを無碍にして良いのかしら?私立病院で生き抜くためには、病院理事長を大事にしないといけないんですのよ。」
鼻にかけた物言いは、これまでも既に何度がカチンときていたのだが…
「申し訳ないが、俺は出世も階級も興味はない。医師として働ける場所があるならどこでもいいんだ。急いでいるから失礼します。」
踵を返して医局を出る。
「貴方は、それでもいいんでしょうね。一躍スター医師だもの、いろいろな病院から貴方へのオファーがあるのは知ってるわ。でも、松原千紗さんはどうかしら?障害者雇用は転職が難しいでしょうね。」
夜の薄暗い病院の廊下で、腕を組んで見下げるように立つ椎名香が般若のように見えた。
「彼女は関係ないだろ巻き込むな。ここ数ヶ月我慢して来たが、彼女に何がしたら容赦しないからな。」
如月は怒りと共にそう言い放ちその場を後にした。



