「歩き回って疲れたよな。そろそろ昼にしようか?」
そう言われて、時計の針を触れば既にお昼を回っていた。
「もう、こんなに時間が経っていたんですね…。」
そういえばと、お腹が空いてくる。
「何が食べたい?隣接のホテルの最上階に和洋折衷なんでも食べられる店があるらしい。後は、イタリアンレストランや洋食屋もありそうだな。」
如月先生が素早くスマホで検索してくれたらしく、当たり前のように私を誘ってくれる。
あまりかしこまった場所は緊張するので、カジュアルなお店ならどこでも良いと希望を伝えると、
「じゃあ、この近くの洋食屋はどうだろう?オムライスとかカレー、フライ定食いろいろありそうだから。」
如月先生の提案を二つ返事で賛成した。
オムライスは私の大好物だから、思わず笑みが溢れてしまう程、オムライスの口になってしまう。
「如月先生、お疲れ様です。ブースの方はお楽しみ頂けましたか?」
ロビーを抜けて外へと向かっている途中で、女性の声が聞こえて来て2人で足を止める。
「イベントのトーク会の打ち合わせは14時からになりますので、よろしくお願いします。」
「承知してます。少し昼食に抜けるだけです。」
如月先生のどことなく冷めた対応で、今朝会った女性スタッフなのだと分かる。
「あら、お昼まだでしたの?それでしたら私もまだですの、ご一緒してもよろしいですか?」
随分と積極的な人だなと私もさすがに察知して、如月先生がなぜこんなに明け透けに冷たい対応になるのか少しだけ分かった気がした。
気づけば未だに指を絡めた恋人繋ぎだったから、慌てて少し強引に手を離し、距離を取ろうと試みるのに、
「離れないで…。」
と、如月先生の懇願にも似た声を聞き動けなくなる。
「…お二人のご関係は…?」
それをめざとく気付いたであろう女性の声が、1オクターブ低くなりビクッとしてしまう。
「た、ただの仕事仲間です…。」
私がそう言うのとほぼ同時に、
「私の恋人です。」
と、こともあろうに如月先生がしれっと言うから、
今なんて⁉︎…どういう事⁉︎えっ?何…どうかしちゃった⁉︎
突然の、本人も知らない恋人宣言に目を見開きギョッとする。
如月先生を凝視したところで、ぼんやりとシルエットだけがなんとなく分かるくらいなのだけど…
それでも、フッと笑う如月先生にこんな時に冗談なんてと非難の目を向ける。
「…だったら良いなと思っただけです。」
そう付け足して、それでも握られた手は決して離す気はないらしい。
「彼女、目が見えないのですよね?如月先生はお優しいから、ただの冗談ですよね。」
相手の女性は、辛辣に私に向かって牽制してくるから、
「それが何か問題でも?彼女の目が見えない事は私にとってなんの障害でもありません。そう言う貴女には不愉快しか感じない。
言われなくても頼まれた仕事はちゃんとこなします。しかし、プライベートは私の自由ですので。では、失礼致します。」
苛立ちを隠さずそう言い放ち、
「行こう。」
と小さく私に告げて、如月先生は私の手を引っ張るように足早に玄関へと動き出す。
私は引っ張られながら、慌ててぺこりと頭を下げて玄関を抜けて行った。
そう言われて、時計の針を触れば既にお昼を回っていた。
「もう、こんなに時間が経っていたんですね…。」
そういえばと、お腹が空いてくる。
「何が食べたい?隣接のホテルの最上階に和洋折衷なんでも食べられる店があるらしい。後は、イタリアンレストランや洋食屋もありそうだな。」
如月先生が素早くスマホで検索してくれたらしく、当たり前のように私を誘ってくれる。
あまりかしこまった場所は緊張するので、カジュアルなお店ならどこでも良いと希望を伝えると、
「じゃあ、この近くの洋食屋はどうだろう?オムライスとかカレー、フライ定食いろいろありそうだから。」
如月先生の提案を二つ返事で賛成した。
オムライスは私の大好物だから、思わず笑みが溢れてしまう程、オムライスの口になってしまう。
「如月先生、お疲れ様です。ブースの方はお楽しみ頂けましたか?」
ロビーを抜けて外へと向かっている途中で、女性の声が聞こえて来て2人で足を止める。
「イベントのトーク会の打ち合わせは14時からになりますので、よろしくお願いします。」
「承知してます。少し昼食に抜けるだけです。」
如月先生のどことなく冷めた対応で、今朝会った女性スタッフなのだと分かる。
「あら、お昼まだでしたの?それでしたら私もまだですの、ご一緒してもよろしいですか?」
随分と積極的な人だなと私もさすがに察知して、如月先生がなぜこんなに明け透けに冷たい対応になるのか少しだけ分かった気がした。
気づけば未だに指を絡めた恋人繋ぎだったから、慌てて少し強引に手を離し、距離を取ろうと試みるのに、
「離れないで…。」
と、如月先生の懇願にも似た声を聞き動けなくなる。
「…お二人のご関係は…?」
それをめざとく気付いたであろう女性の声が、1オクターブ低くなりビクッとしてしまう。
「た、ただの仕事仲間です…。」
私がそう言うのとほぼ同時に、
「私の恋人です。」
と、こともあろうに如月先生がしれっと言うから、
今なんて⁉︎…どういう事⁉︎えっ?何…どうかしちゃった⁉︎
突然の、本人も知らない恋人宣言に目を見開きギョッとする。
如月先生を凝視したところで、ぼんやりとシルエットだけがなんとなく分かるくらいなのだけど…
それでも、フッと笑う如月先生にこんな時に冗談なんてと非難の目を向ける。
「…だったら良いなと思っただけです。」
そう付け足して、それでも握られた手は決して離す気はないらしい。
「彼女、目が見えないのですよね?如月先生はお優しいから、ただの冗談ですよね。」
相手の女性は、辛辣に私に向かって牽制してくるから、
「それが何か問題でも?彼女の目が見えない事は私にとってなんの障害でもありません。そう言う貴女には不愉快しか感じない。
言われなくても頼まれた仕事はちゃんとこなします。しかし、プライベートは私の自由ですので。では、失礼致します。」
苛立ちを隠さずそう言い放ち、
「行こう。」
と小さく私に告げて、如月先生は私の手を引っ張るように足早に玄関へと動き出す。
私は引っ張られながら、慌ててぺこりと頭を下げて玄関を抜けて行った。



