「そういえば。忘れないうちに君に渡さないといけないものがあった。」
如月先生が突然思い出したようにそう言ってくる。
「何でしょうか?」
全く検討がつかない私は首を傾げつつ、次の言葉を待つしかなくて…。
「手を出して。」
と言われるままに片手を差し出す。その手の平に、そっとガーゼのようなものを渡される。
「病院を出る前に、中庭の東家に寄ったんだけど、そこで見覚えのあるハンカチを見つけたんだ。これ、君のハンカチじゃないか?」
「えっ…⁉︎
確かに、金曜のお昼休みに東家で、風に飛ばされてハンカチを無くしてしまったんですけど…。」
信じられない気持ちで両手でサワサワとハンカチを探る。小さなラベンダーの刺繍を確認して確信する。
「色は淡い紫ですか?」
「そう。すみに花の刺繍がある。やっぱり君のものだったんだ。」
如月先生から安堵の声を聞く。
「ありがとうございます…。親からもらったお土産なんです。手触りが好きで愛用してたんですけど、もう2度と戻って来る事はないだろうって諦めてたので嬉しいです。」
ぎゅっとハンカチを握り締めてお礼を伝えた。
そうこうしているうちに、場内アナウンスが開場15分前を告げると、ようやくバタバタしていたスタッフ達も、自らの立ち位置にと落ち着き始める。
「そろそろ動けそうだな。」
ブースの案内パンフレットを、熱心に読み込んでいた如月先生が立ち上がる。
「行こうか。」
と、左手をそっと取られ握られてドキンとする。
如月先生が突然思い出したようにそう言ってくる。
「何でしょうか?」
全く検討がつかない私は首を傾げつつ、次の言葉を待つしかなくて…。
「手を出して。」
と言われるままに片手を差し出す。その手の平に、そっとガーゼのようなものを渡される。
「病院を出る前に、中庭の東家に寄ったんだけど、そこで見覚えのあるハンカチを見つけたんだ。これ、君のハンカチじゃないか?」
「えっ…⁉︎
確かに、金曜のお昼休みに東家で、風に飛ばされてハンカチを無くしてしまったんですけど…。」
信じられない気持ちで両手でサワサワとハンカチを探る。小さなラベンダーの刺繍を確認して確信する。
「色は淡い紫ですか?」
「そう。すみに花の刺繍がある。やっぱり君のものだったんだ。」
如月先生から安堵の声を聞く。
「ありがとうございます…。親からもらったお土産なんです。手触りが好きで愛用してたんですけど、もう2度と戻って来る事はないだろうって諦めてたので嬉しいです。」
ぎゅっとハンカチを握り締めてお礼を伝えた。
そうこうしているうちに、場内アナウンスが開場15分前を告げると、ようやくバタバタしていたスタッフ達も、自らの立ち位置にと落ち着き始める。
「そろそろ動けそうだな。」
ブースの案内パンフレットを、熱心に読み込んでいた如月先生が立ち上がる。
「行こうか。」
と、左手をそっと取られ握られてドキンとする。



