君の瞳にこの愛を捧ぐ〜凄腕眼科医の執着愛〜

「しばらく改札口で待ってたんだけど、人が多くて見つけられるか心配になってプラットホームまで来てみたんだ。
良かった、あそこで君を見つけられて。止まっててくれてありがとう。」

迎えのタクシーに乗り込んで、とりあえず会場まで向かう道中で、お互いここまでの経緯を話して聞かす。

「こちらこそです。わざわざプラットホームまで来て頂き、助かりました。ありがとうございました。」
改めてお礼を言う。
いつだって私がピンチの時に彼は現れて助けてくれる。感謝してもしきれないくらいだ。

「それにしても、何で君を独りで行かせたのか…後で佐久間医師には抗議しておく。」

「いえ…。東京が地元なので大丈夫だと佐久間先生は判断してくれたんだと思います。それに就職してから一度も実家に帰ってなかったので、その事も気にかけてくれたんじゃ無いかと思います。佐久間先生を責めないであげて下さい。」

「そう言われてしまうと何も言えなくなるけど…シンポジウムの間は俺から離れないでいて。君は君が思ってる以上に目立つんだ。きっと世の中の男共は声をかけずにはいられないくらい。またさっきみたいな事があったらと思うと、俺は心配で仕方がない。」
如月先生がそう言ってくる。

盲者だから目立ってしまうんだろうか…。 どうしたって普通の人と同じような速さでは歩けないし、元々マイペースな人間だから今更治しようがない。

「すいません、出来るだけご迷惑をお掛けしないように気をつけます。」
これ以上、如月先生の重荷になってはいけないと気持ちを引き締める。

「…そういう意味じゃないんだけどな…。」
如月先生の呟きは、残念ながら私の耳には届かなかった。