君の瞳にこの愛を捧ぐ〜凄腕眼科医の執着愛〜

「ごめんごめん。男2人じゃ味気ないと思ってさ。華を呼んでみたんだよ。」
そう言って戻って来たニコニコ顔の佐久間医師の大柄な身体で、後ろの訪問者が俺からは見えない。

「事前に言っといて下さいよ…」
不満と苛立ちをぶつけようと佐久間医師を睨もうとしたところで、後の訪問者がひょこっと顔を出し驚き固まる。

えっ…なんで彼女が…ここに…⁉︎
思考回路が一瞬固まり、バグが起きたように頭が真っ白になった。

「こんばんは…すいません突然お邪魔してしまって。お2人で飲んでらしたとは知らなくて…すぐお暇しますので。」
いつものように控えめな感じで彼女、千紗が顔を出す。

「こんばんは…なぜ…?」
俺のバグった頭では上手い言葉が見つからず、ただ唖然として2人を見返すばかりだ。

「驚いただろ?
俺と千紗ちゃんはこの数年間で最も近しい仲になったんだよ。千紗ちゃん、コイツの事は気にしなくていいから座って座って、夕飯はもう食べた?食後のスイーツなんかどう?」

もはやたぬき親父と化した佐久間医師は、彼女を勝手に俺の隣に誘導して、メニューをぱらぱらと見始める。

思わず無言で佐久間医師をギロっと睨むが、ウィンクを投げて返してくるから、フッと肩の力が抜けて笑ってしまう。

「失礼します…」
と遠慮気味に俺の横に座った千紗は当惑しながらも佐久間医師、いや、このたぬき親父に笑顔を向けている。

「昼間のメロンパンは千紗ちゃんがコイツに渡してくれたんだろ?俺も運良くありつけたからね。これはそのお礼も兼ねてだよ。遠慮なく食べてくれ。」
ニコニコ顔のたぬき親父は、こともあろうにラーメン容器ほどの大きなかき氷を彼女に推し進めるから、それは流石に多すぎだろうと慌てて止める。

「りょ、如月先生が残ったら食べてあげればいいんじゃないか?ああ、こっちにはジャンボパフェなんてのもある。」
これにはさすがに揶揄うのも大概にしてくれと、思わずこめかみを押さえた。