君の瞳にこの愛を捧ぐ〜凄腕眼科医の執着愛〜

「いいね、似合ってる。良かった…。」
藤堂は思ったままを口にする。

思わぬところで褒められ、千紗もなんだか恥ずかしくなる。

「あ…ありがとうございます。おいくらでしたか?」
再度そう聞くのに藤堂は聞く耳を持たず、

「今日の記念にすればいい。」
と、笑って取り合ってはくれなかった。

「さぁ、そろそろ帰らないと。ご両親に心配させる。帰りはどこかサービスエリアで夕飯食べていこう。そう、親に連絡しておいて。」

目が見えなくなった千紗を助手席へと丁寧に案内してくれる。買ったばかりのスカートが、ドアに巻き込まれないようと丁寧に裾まで気を配ってくれた。

千紗は言われた通り母にメールを送り、やっとフッと肩の力を抜く。

「さあ、出発するぞ。眠かったら寝てくれて構わないから。」
藤堂の優しい言葉を聞いて、やっと笑顔を取り戻す。
今日はいろいろな事があったけど、終始優しく思いやりを持って接してくれた藤堂のお陰で気分も晴れた。

迷惑ばかりかけたのに…。
でも、助けてくれたのが藤堂さんで良かったと、千紗は思う。

「千紗はもう少し警戒心を持った方がいい。無防備過ぎてこの先が心配だ。」
帰りの道で藤堂がそう言って心配してくる。

「大丈夫ですよ。私なんて障害者、誰も気にも止めないですから。」
千紗が自虐のようにそう言うと、何を言っているんだと千紗にチラッと目を向けて、呆れたように言い放つ。

「千紗は可愛い。誰が見てもそう思う筈だ。さっきだって、千紗じゃなきゃナンパされなかっただろうし…もっと自覚を持った方がいい。」
千紗は思いもかけない言葉を聞いて、藤堂の横顔を見つめて固まる。

…可愛い…?私が…?
家族以外の誰にも言われた事がなかった。
どちらかというと根暗で勉強ばかりしていたガリ勉だし、どこに可愛い要素があるのか…?千紗自身は全く自覚がない。
だから、つい耳を疑い首を傾げてしまうのだけど…

「どれだけ自己評価が低いんだ。本当…この先が思いやられる…。」
藤堂がため息混じりにそう言われてしまう。