何か用事でも思い出したのだろうか?
車の助手席に乗り込みながら、私は訳も分からず小首を傾ける。
「ちょうどいい場所があったから。」
それだけ告げられ、佐久間先生宅を出て車は走り出す。
「どこに向かっているんですか?」
段々と薄暗くなって行く世界の中で、私は若干の心細さを感じ始める。
「大丈夫。そんなに遠くはないから、1時間くらいで到着する。」
それでもりょうさんは楽しそうにそう言っただけで、結局目的地のヒントも教えてもらえず、到着するまでの時間ソワソワと不安な気持ちで過ごした。
「到着したよ。」
車のバック音を聞いて、駐車場らしき場所で停車する?
私がモタモタとシートベルトを外しているうちに、いつの間にか運転席を降りたりょうさんが、外から助手席のドアを開けてくれる。
「暗いから、俺の手を離さないで。」
「ありがとう、ございます…。」
不安な気持ちを引きずりながら、手を握られて車から降り立てば、ザワザワと騒めく人の声が聞こえてくる。
ここは、本当にどこだろう…?
人が沢山いるみたい…戸惑いながら、彼に導かれるまま一歩一歩と歩き出す。
着慣れない浴衣と下駄が邪魔をして、どうしてもちょこちょことしか歩けない私に合わせて、彼ももゆっくりゆっくりと歩きを進めてくれる。
「ちょっとここでストップ。」
急に止まった彼にぶつかりそうになりながら足を止めると、
ドーン!!
パラパラパラ…
と、大きな音が夜空に響き渡り、目の前が一瞬明るく光る。
ビックッと体を揺らして驚く私を、彼が背後から守るように優しく包んでくれた。
「…花火…?」
つい呟くと、
「そう。驚かせて悪かった。…音、大丈夫か?」
目が見えなくなって以来敏感になった私の耳には、確かに花火の音は強すぎたけど、
「…だい、じょうぶ…です。」
少し気後れしながら返事を返す。
「ここは神社なんだけど秋祭りの最中なんだ。たまたまネットで見つけて、浴衣で行くには持って付けの場所だと思って。」
ドン…!ドン…!
と鳴り響く花火の音にかき消されないように、私の耳元でそっと耳打ちしてくれる彼の声は、何故だか色気があり過ぎてドキンと心臓が太鼓のように打ち始める。
「凄い…こんなに近くで花火が上がるのは初めてです。」
感動と興奮で私のテンションも上昇する。
車の助手席に乗り込みながら、私は訳も分からず小首を傾ける。
「ちょうどいい場所があったから。」
それだけ告げられ、佐久間先生宅を出て車は走り出す。
「どこに向かっているんですか?」
段々と薄暗くなって行く世界の中で、私は若干の心細さを感じ始める。
「大丈夫。そんなに遠くはないから、1時間くらいで到着する。」
それでもりょうさんは楽しそうにそう言っただけで、結局目的地のヒントも教えてもらえず、到着するまでの時間ソワソワと不安な気持ちで過ごした。
「到着したよ。」
車のバック音を聞いて、駐車場らしき場所で停車する?
私がモタモタとシートベルトを外しているうちに、いつの間にか運転席を降りたりょうさんが、外から助手席のドアを開けてくれる。
「暗いから、俺の手を離さないで。」
「ありがとう、ございます…。」
不安な気持ちを引きずりながら、手を握られて車から降り立てば、ザワザワと騒めく人の声が聞こえてくる。
ここは、本当にどこだろう…?
人が沢山いるみたい…戸惑いながら、彼に導かれるまま一歩一歩と歩き出す。
着慣れない浴衣と下駄が邪魔をして、どうしてもちょこちょことしか歩けない私に合わせて、彼ももゆっくりゆっくりと歩きを進めてくれる。
「ちょっとここでストップ。」
急に止まった彼にぶつかりそうになりながら足を止めると、
ドーン!!
パラパラパラ…
と、大きな音が夜空に響き渡り、目の前が一瞬明るく光る。
ビックッと体を揺らして驚く私を、彼が背後から守るように優しく包んでくれた。
「…花火…?」
つい呟くと、
「そう。驚かせて悪かった。…音、大丈夫か?」
目が見えなくなって以来敏感になった私の耳には、確かに花火の音は強すぎたけど、
「…だい、じょうぶ…です。」
少し気後れしながら返事を返す。
「ここは神社なんだけど秋祭りの最中なんだ。たまたまネットで見つけて、浴衣で行くには持って付けの場所だと思って。」
ドン…!ドン…!
と鳴り響く花火の音にかき消されないように、私の耳元でそっと耳打ちしてくれる彼の声は、何故だか色気があり過ぎてドキンと心臓が太鼓のように打ち始める。
「凄い…こんなに近くで花火が上がるのは初めてです。」
感動と興奮で私のテンションも上昇する。



