君の瞳にこの愛を捧ぐ〜凄腕眼科医の執着愛〜

「なぜ、そう思う?
俺は正直、千紗と毎日一緒に居たいし、どこに居てもすぐ近くで君の気配を感じていたいくらいだ。
サーフィンは俺にとってはただの暇つぶしでしかないから、もし君が辞めて欲しいと言うならば簡単に辞められる。」
そのくらいの趣味だよと軽く笑う。

そこまでどうして私の事を…?
出会って3か月ほどしか経っていないのに、その大きな愛に目が眩む。

「りょうさんと私…出会ったばかりなのに、どうしてそこまで、思ってくれるんですか?」

「…理屈じゃ無いんだ。君の事だけはいつだって気になって仕方がない。
それになにより俺自身が君といると癒される。こんなに誰かを愛おしいと思った事は初めてだ。」
思わず、カァーッと顔が真っ赤になってしまう。

こんな真っ直ぐな歯の浮くような言葉を平気で発するりょうさんは、やっぱりモテ街道をまっしぐらに歩いて来た人だろう。

恋愛初心者の私には手に余る…

「…何?恥ずかしいのは俺なんだけど…」
思わず両手で顔を隠した私に、りょうさんが照れ笑う。

「…私、なんて言っていいか…上級者過ぎて…無理です。」
返事に困ってしまう。

「俺だって残念ながら恋愛には疎い。女心も分からなければ、気も利かないだろ?君が思ってるほど大した男じゃないよ。」
普段から堂々としているりょうさんだけど、恋愛に対しては自己評価が低いようだ。

「でも、りょうさんの行くところ行くところには、いつも女性の影がありますから…。」
今まで言えなかった事をここぞとばかり言ってみる。

「あれは…向こうが勝手に寄って来るだけで俺に落ち度は無い。」
確かに彼は女性には基本塩対応だから、それでも寄って来るのは見た目が良過ぎるという事だろう。彼のせいでは無いのかもしれないけれど…

「…もしかして、嫉妬してくれてるの?」
赤信号になったらしく車が止まり、不意に頬をそっと触れられて、俯いていた私の顔を運転席の方に強制的に向けさせられる。

えっ…!?
と驚く私をよそに、りょうさんがプニプニと唇に触れてくる。

「嫉妬…なのかも、しれません…。」
気持ちを隠せる訳もなく、そう言うしかない。

「嬉しい。今、君の心がここにあると実感した。少し強引に事を進め過ぎた自覚はあったから…」
そう嬉しそうな声を聞いたと思ったら、チュッと軽くキスをされ、びっくりした私は固まる。

心拍はドキンと脈打ちドキドキと段々大きくっていく。

「嬉しい…ですか?
私はりょうさんに相応しくないから…そんな嫉妬する資格なんてないのかもしれないです。…だけど、私も出来る限り側にいたい、です。」
素直な気持ちを暴露する。

「それを言うなら、俺が君には相応しいと思うが?だけど誰にも触られたくないし、奪われたくない。」
しれっと独占欲まで曝け出して、何ごとも無かったかのように車が動き始める。

りょうさんの言葉は心臓に悪い…
ドキドキと高鳴る胸を押さえながら、先程までの不安な気持ちはいつの間にか消えていた。