「もしもし、どうしましたか?」
『ああ、千紗ちゃん!やっと繋がった。雨が降ってるから家まで迎えに行こうと思って。今日、嫁さんがうちに来て欲しいって言ってるんだけど。』
いつもと変わらない佐久間先生の元気な声が聞こえてくる。
今日、伺う予定なんてあったかな?特に約束はなかった筈だけど…
「えっと…今、如月先生の家でして…。」
変な誤解をされたくなくて、考えながら言葉を紡ぐ。
『そうか、デートのお邪魔しちゃったかな。じゃあさ。丁度いいからアイツに連れて来て貰えばいい。』
そう、佐久間先生が勝手に決め始めるから戸惑っていると、横からりょうさんの手が伸びてスッとスマホを持っていかれる。
「如月です。彼女の都合も聞かずちょっと強引過ぎやしませんか?」
りょうさんが容赦なく佐久間先生に抗議の声をあげている。
だけどどう説得されたのか、しばらくヤイヤイと佐久間先生と言い合っていたりょうさんが、『分かりました。』と最後には根負けしたかのようにため息混じりで電話を切った。
「どうしても今日来て欲しいってさ。
…仕方ないから、ちょっと顔だけ出して直ぐ帰ろう。」
そんなに嫌な顔しなくても…と思うくらい嫌そうで、それが何だか可愛くてフフッと笑ってしまう。
「…せっかくの千紗との時間を邪魔されたくない。」
りょうさんが不貞腐れたように呟いた。
それから2人支度を整えて、彼の車で病院近くにある佐久間先生のお宅へと向かう。
せっかく外出したのだから、夕飯はどこかで食べて帰ろうと誘われる。
なんだか本当にデートみたいだなと、始めのうちはドキドキワクワクが止まらなかった。
だけど…しばらく車に揺られいると、いろいろな思いが頭をよぎる。
ドライブデートはきっと景色を楽しむものじゃないのかな?という疑問…
景色が分からない私では、りょうさんの感動を分かち合う事が出来ない。
今日の海の色、波の様子、サーファーの多さ、海岸線を走りながらりょうさんが話して聞かせてくれる。
「いい波だな。」
海を見てそう呟くりょうさんに『そうですね。』と寄り添えない私…
「サーフィンしたいですか?
せっかくの休日ですし、私の事はお構いなくです…。」
私と居てもきっとりょうさんを楽しませる事は出来ない…。段々と気持ちが下降していく。
「いや、千紗が居るのにサーフィンなんてあり得ない。君との時間の方が大切だ。」
…今はそう言ってくれたとしても、きっとこの先サーフィンには勝てない筈…
そんなネガティブな考えまで生まれてくる。
「私は…景色を分かち合う事も、りょうさんがサーフィンをしている姿も見る事も出来ないんです…こんな私といても楽しいですか?」
ついそんな事を聞いてしまう。
『ああ、千紗ちゃん!やっと繋がった。雨が降ってるから家まで迎えに行こうと思って。今日、嫁さんがうちに来て欲しいって言ってるんだけど。』
いつもと変わらない佐久間先生の元気な声が聞こえてくる。
今日、伺う予定なんてあったかな?特に約束はなかった筈だけど…
「えっと…今、如月先生の家でして…。」
変な誤解をされたくなくて、考えながら言葉を紡ぐ。
『そうか、デートのお邪魔しちゃったかな。じゃあさ。丁度いいからアイツに連れて来て貰えばいい。』
そう、佐久間先生が勝手に決め始めるから戸惑っていると、横からりょうさんの手が伸びてスッとスマホを持っていかれる。
「如月です。彼女の都合も聞かずちょっと強引過ぎやしませんか?」
りょうさんが容赦なく佐久間先生に抗議の声をあげている。
だけどどう説得されたのか、しばらくヤイヤイと佐久間先生と言い合っていたりょうさんが、『分かりました。』と最後には根負けしたかのようにため息混じりで電話を切った。
「どうしても今日来て欲しいってさ。
…仕方ないから、ちょっと顔だけ出して直ぐ帰ろう。」
そんなに嫌な顔しなくても…と思うくらい嫌そうで、それが何だか可愛くてフフッと笑ってしまう。
「…せっかくの千紗との時間を邪魔されたくない。」
りょうさんが不貞腐れたように呟いた。
それから2人支度を整えて、彼の車で病院近くにある佐久間先生のお宅へと向かう。
せっかく外出したのだから、夕飯はどこかで食べて帰ろうと誘われる。
なんだか本当にデートみたいだなと、始めのうちはドキドキワクワクが止まらなかった。
だけど…しばらく車に揺られいると、いろいろな思いが頭をよぎる。
ドライブデートはきっと景色を楽しむものじゃないのかな?という疑問…
景色が分からない私では、りょうさんの感動を分かち合う事が出来ない。
今日の海の色、波の様子、サーファーの多さ、海岸線を走りながらりょうさんが話して聞かせてくれる。
「いい波だな。」
海を見てそう呟くりょうさんに『そうですね。』と寄り添えない私…
「サーフィンしたいですか?
せっかくの休日ですし、私の事はお構いなくです…。」
私と居てもきっとりょうさんを楽しませる事は出来ない…。段々と気持ちが下降していく。
「いや、千紗が居るのにサーフィンなんてあり得ない。君との時間の方が大切だ。」
…今はそう言ってくれたとしても、きっとこの先サーフィンには勝てない筈…
そんなネガティブな考えまで生まれてくる。
「私は…景色を分かち合う事も、りょうさんがサーフィンをしている姿も見る事も出来ないんです…こんな私といても楽しいですか?」
ついそんな事を聞いてしまう。



