君の瞳にこの愛を捧ぐ〜凄腕眼科医の執着愛〜

「もしもし…如月先生ですか?
あの、今、お時間、大丈夫ですか…?海岸沿いにある洋食店にいるんですけど…出て、来れたりしますか?」

椎名香の指示で電話をかける。
声が少し震えてしまう。

『どうかしたのか?…10分で行く!』
勘の良い人だから、きっと何かを察知させてしまったようだ。
祈るようにスマホを握りしめる。

「私、直ぐ横の席に居ますから。」
そう椎名香が告げて目の前からスッと消える。

出来るならここから逃げ出したい。
りょうさんを巻き込みたくないのに…意図せずに離れなければいけないなんて…そんな言葉、今、持ち合わせていない…

下唇を噛んで、なんて伝えるべきか考える。
さよならを告げるには…親しくなり過ぎて心が痛い。

彼から離れるなんて…無理だ。
でも、仕事を奪われてしまったら…ここにいられ無くなってしまう。

彼が来るまでの長くて短い時間に、精一杯の言い分を考える。回避するすではないのだろうか…