君の瞳にこの愛を捧ぐ〜凄腕眼科医の執着愛〜

「千紗、俺は君が好きだよ。
この気持ちに嘘偽りない。会うたびに君に惹かれていく。出来れば毎日会いたいし側にいたい。離れている間は不安で仕方がない。
俺は君の特別になりたいんだ。
返事は今すぐにとは言わないから、真剣に考えてもらえないだろうか?」
突然の告白に驚き固まる。

何度か告白めいた事は言われたけれど、それをはぐらかしてきたのは私だけど…
こんな真っ直ぐに言われて、内心嬉しくない訳がない。でも私なんかじゃ不釣り合いだと充分理解している。

「…こんな私をそんな風に思ってくれてありがとうございます。
だけど…私はお荷物になります。きっと…私と関わってる限りずっとです。」
胸が苦しくて…嬉しいのに好きですとはとても言えない。

彼を好きな人は沢山いる。
理事長の娘に、教授の娘…私には雲の上の人だから。

「俺は君が重荷だと思った事はないよ。役に立てれば嬉しいし、出来ればもっと近くで君を守りたい。君を守る権利が欲しいんだ。」
彼の気持ちは真剣で、真っ直ぐ心に突き刺さる。

どうしよう…嬉しい。
だけど…駄目…どうしたら…
下唇を噛んで涙が出ないように俯きくい止まる。それなのに…
直ぐに決断出来るような簡単な事ではないと、千紗は高ぶる感情をどうにか抑えなければと歯を食いしばる。

「唇噛まないで、傷ついてしまう。」
如月にめざとく見破られて、頬をそっと撫ぜられる。

「…なぜ泣く?」
彼の優しさに触れて堪え切れずに、気付けば涙が溢れ落ちていた。

「…りょうさんの、周りには貴方を好きな人が沢山いて、私は…絶対敵わない…私は貴方の役には立てないし、迷惑ばかりかけてしまうから…」
頭の中がぐちゃぐちゃで上手く言葉をまとめられなくて、悔しくて、切なくて涙だけがポロポロと落ちてしまう。

「俺は君がいい。他の誰かは関係ない。君が俺の側にいてくれたらそれだけで幸せだし、それ以上の安らぎはないと思う。この気持ちは何年経っても変わらない。」
りょうさんは、こぼれ出る私の涙を指で拭いながら、辛抱強く私の気持ちに寄り添ってくれている。

「大丈夫。いつまでも待つ自信はある。だから、真剣に考えてみてくれないか?」
懇願にも似た声を聞き、千紗は思わずコクンと頷いてしまった。

「ありがとう。」
ぎゅっと抱きしめられて、しまった…と警告音が頭の中でなり始める。
この人の特別になれたら嬉しいけれど、きっと周りには認めてもらえない。私なんかが彼の隣になんて…烏滸がましいにも程がある。

なのに…この手を振り払う勇気もなくて、泣くのはずるいと思うのに…涙を止める事も出来ない。

このままずっと彼の腕に抱きしめられていたいと思ってしまう自分がいた。