君の瞳にこの愛を捧ぐ〜凄腕眼科医の執着愛〜

だけど、これ以上お世話になる訳にはいかないと、今度は早くお暇しなければと焦ってしまう。
忙しい彼の貴重な休日に、私がいたら寛げないし逆に疲れさせてしまうとさえ思う。

それに昨夜から着のみ着たまま、歯磨きさえしていないから、なんだか自分が汚く感じて、近くにいるのが居た堪れなくなってきた。

「あの…私、アイシングが終わったら、そろそろお暇します。多分、軽い打撲だと思いますし、病院は休み明けに行ってきますから大丈夫です。」

「病院は直ぐに行くべきだ。土曜だって午前はやってる整形外科はあるから。それに、車で行った方が早い。俺の知り合いのところで良ければ連れて行くよ。」
直ぐにでも車を出す勢いで彼は動き出す。

「でも…あの、お風呂も歯磨きもしてなくて…私、お酒臭くありませんか?あんまり近寄らない方がいいですよ。」
落ち着いてくれば来るほど、今の状況が居た堪れない。何とかして帰らなくてはと私は躍起になる。

「何言ってるんだ?千紗はいつだって良い香りだし、汚い訳ないだろ。気になるなら、アイシングが終わったらシャワー使ってくれても構わないし、歯ブラシも使い捨てがあるはずだ。」
と、いいくるめられてこのままでは彼のいいなりになってしまう。

「近くの店で何か着替えを一式買ってくるから、千紗はその間にシャワーを使っててくれたらいいよ。」

「いえいえ、如月先生にお手間を取らせる訳には…」

「君の怪我の責任は俺にもあるんだ。ちゃんと治療してくれないと安心出来ない。」
被せ気味にそう言ってくる彼の熱意に押し負かされる。
これ以上は逃れられそうもない事を悟り、大人しく従うしかなかった。

アイシングを終えて気持ち腫れが引いたが、膝は熱を持ったままで酷く彼を心配させた。

フワッと抱き上げられて風呂場に運ばれる。

「き、如月先生、私、歩けますから…」
下ろして欲しいと懇願するのに聞き入れてはくれなくて、

「せめて病院で治療が終わるまでは、膝に負荷をかけない方がいい。」
と、過保護にされて言われるままにシャワーを借りる事になる。