君の瞳にこの愛を捧ぐ〜凄腕眼科医の執着愛〜

「ご迷惑をおかけして…すいませんでした。」
恥ずかしさで頬は熱を持っている。きっと真っ赤になっているだろうとそれすらも恥ずかしくて、早くこの場から逃げ出したい。

すると、突然如月先生に抱きしめられる。
「大丈夫だから。ただ、俺以外にそういう顔は見せないで。」
小さな子供をあやすみたいに抱きしめられて、背中を優しくトントンされると、ドキドキするのに不思議な安心感を得て、気持ちは幾分か落ち着いていった。

「…で、どこか痛い所は?さっき酷くぶつけただろ?」
やっと離してくれた如月先生が、怪我を心配して足元にしゃがみ込んだ気配を感じる。

「えっと…膝を……」
気持ちが落ち着いてくると、痛みまで蘇ったように、膝がジンジンと痛みを増してくきた。

「見せて。これでも医者だから処置くらいさせてくれ。」
眼科医に怪我の手当が出来ないなんて思わないで欲しいと言いたげだ。

「ちょっと…恥ずかしいです…。」
私は恥じらい躊躇するけど、なかなか引いてはくれない。

「俺しか見てないから大丈夫だ。」
如月先生だから恥ずかしいんだってばと訴えたくなる状況だった。

でも、これは…見せるまで逃してもらえそうもない。

覚悟を決めて、仕方なくロングスカートの裾をゆっくり膝まで上げて怪我を晒す。
なぜこんな仕打ちを…恥ずかしくて居た堪れない…。

「ああ…痛そうだな…色が紫になってる。腫れもあるから、レントゲンを撮った方がいいかもしれない。少し触るよ。」
白い素肌に紫のあざが痛々しく浮かんでいた。
医者の手付きで患部に触れて腫れを確かめる。私を椅子に座らせられたかと思うと、テキパキと痛みを和らげる湿布を貼り、腫れを少しでも引かせる為に保冷剤で冷やしてくれた。

「ちょっと冷たいけどしばらく動かないでこのままで。」
左膝はまるでアスリートのアイシングのような感じで、固められて動かないくらいぐるぐる巻きになった。

「…ありがとうございます。ごめんなさい…ご迷惑を…」
ちゃんと謝らなければとかしこまって話し出すと、唇を彼の指で塞がれる。

えっ⁉︎と、目を丸くして驚き固まる。

「迷惑ではないし、謝罪も要らない。君が気を許してくれたら嬉しいし、頼ってもらえるならば光栄だと思う。」
分かった?と念押しするように私の
手を握る。

アイシングは5分くらいが目安で、その後骨に以上がないかレントゲンを撮りに行こうと彼が言うから、なんだか大事になってきて、そこまでは…と困ってしまった。