貴方ともう一度、恋の夢を

「百華ー? 今日はいつも以上に聞いてなくない?」
「あ、ごめん……」


 私がぼーっとしていたことに気付いた莉奈は、不満そうにするどころか、少し心配そうに私を見ている。


「なんかあった?」
「そんな、大したことじゃないんだけど……」


 バカにされるかもしれない、と思いつつ、私は今日見た夢の内容を話した。


 いつもなら、夢なんて時間が経てば忘れてしまう。

 だけど、今日の夢は全然消えなくて、むしろ、まだはっきりと彼の顔を思い出せる。
 あの、真剣な眼差しが。


「イケメンが夢に出てきて、愛の告白してくるとか、控えめに言って最高じゃん」


 バカにされなくて安心はしたけど……ミーハーなヤツめ。


「でも百華にじゃないんだっけ?」
「そうなんだよね……」


 イケメンに告白された夢、というだけならここまで引っかかっていない。
 今の莉奈みたいに、予知夢かも、なんて浮かれていただろう。


 でも、あの人の視線の先は、私じゃなかった。
 だから、気になってしまうのだ。


「んー……なんでだろうね……あ、そういうドラマか映画を見たとか」


 首を横に振る。


 あの人を見たのは、夢が初めてのはず。
 どこかで見かけていたら、今みたいに忘れていないだろうから。


「もしかして、マンガ? 小説を自分の中で映像化したとか」
「私、本読まないよ」
「そうでした」


 莉奈は腕を組み、唸っている。


 私よりも、真剣に考えてくれているみたいだ。
 ミーハーだなんて言って、ちょっと悪かったな。