貴方ともう一度、恋の夢を

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「百華、おはよ!」


 登校中、欠伸をしている途中で背後から肩を叩かれた。
 おかげで欠伸が引っ込んだ。


「おはよう、莉奈(りな)


 私の欠伸事情なんて知らない莉奈は、満面の笑みを浮かべている。
 私は眠たくて仕方ないというのに、元気な子だ。


「どうしたの、百華。寝不足?」
「そういうわけじゃないけど……」
「そ?」


 私たちは並んで歩き始める。
 右に莉奈、左は私。
 小学生のときからの定位置だ。


「百華、昨日の配信見た?」
「昨日? なんかあったっけ」
「言ったじゃん! 優真くんの配信日だって! もう、忘れてたの?」


 莉奈は呆れたと言わんばかりに、ため息をついた。


 そういえば、そんなことも言ってたな。


 莉奈の推し、優真くんが配信する、めちゃくちゃカッコいいから見て、だったか。
 莉奈ほどミーハーではないから、普通に忘れていた。


 でも、私が優真くんに興味を持てないのは、今に始まったことじゃない。


 だから、莉奈は文句をそこそこに、昨日の配信について嬉々として話し始めた。


 優真くんが相変わらずカッコよかったとか。
 スクショタイムが神がかってたとか。
 自分のコメントを読んでもらえたとか。


 いつも通り、楽しそうでなにより。

 やっぱり、イケメンに認知されるというのは、それだけで嬉しいものなのかな。


 まあ、私の場合は実在するのかもわからないから、希望を抱いたところでどうしようもないけど。