無気力な君の溺愛は甘すぎる

「よろしくね、結城さん」

「こちらこそ! 良ければ、愛乃って呼んで? 七海さんの事も、麗奈って呼んでいい??」

首をかしげながら聞く愛乃ちゃんに、ふわりと微笑んだ麗奈ちゃんが答える。

「ありがとう愛乃、嬉しいわ。是非呼んで?」

「ありがとう、麗奈!」

そう言って二人は微笑み合う。

そんな二人を見て、私は微笑ましい気持ちになりながらにこにこしている。

三人でお昼を食べながら雑談していたらあっという間に昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。

「あっクラスに戻らなきゃ、じゃあ愛乃、萌、またね」

麗奈ちゃんが控えめに手を振りながら走っていく。

「またー!」

愛乃ちゃんと私も手を振り返して麗奈ちゃんを見送った。


***

時間が経つのははやい。
もう帰りの時間。
愛乃ちゃんに別れを告げた私は、校門を出て歩いているところ。

ちなみに麗奈ちゃんとは家が近いけれど、用事があって一緒に帰れないみたい。

それにしても、今朝はここら辺でイケメンくんとぶつかったんだよね…。
あのイケメンくん、あの後ちゃんと教室行ったのかな…。

そんな事をぼーっとしながら考えていたら、曲がり角の陰に隠れてそこに立ち止まっている人が見えていなかった。

──ッドン。

「…っ」

今朝と同じ衝撃が私を襲う。
またやってしまった…。

今朝と同じ曲がり道。
今朝と違うのは、今度は後ろから突撃したことぐらい。

「ご、ごめんなさいっっ」

そしてまたいきよいよく謝る。

「………あ、」

それは今朝、聞いたばかりの声。

びっくりして、ばっと顔をあげる。

そこには、今朝と同じ男の子が立っていた。